中毒性表皮壊死症(ちゅうどくせいひょうひえししょう、Toxic epidermal necrolysis、TEN)はライエル症候群(Lyell's syndrome)[1]としても知られる重篤な皮膚障害で、通常医薬品の副作用として発生する[2]。全身の皮膚表皮が真皮と分離して重篤な感染症を招く。死亡率は20〜40%で、死因の多くは敗血症[3]と続発性の多臓器不全である。治療はまず原因と思われる薬剤の投与を全て中止する事と、集中治療室などでの支持療法(対症療法)である[4][5]。 TENの発生率は毎年100万人当り0.4〜1.9人である[6]。TENはスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と連続した概念である。体表面の3割以上に病変があるとTENとされ、1割以下の場合はSJSとされる。その中間の、1〜3割に病変がある場合は“SJS/TEN”と呼ばれる[7][8]。多形紅斑(EM)とTE