マレーシア森林研究所のリュウノウジュ(学名:Dryobalanops aromatica)が形成するクラウン・シャイネス。枝がぶつかり合わないように水路のような隙間ができる現象で、一部の種の樹木で見ることができる。(PHOTOGRAPH BY IAN TEH, NATIONAL GEOGRAPHIC) 1982年3月のある暖かい日のこと。生物学者のフランシス・プッツ氏は、コスタリカのマングローブの森で少しばかり昼寝をしようと横たわった。 空を見上げると、風が頭上のマングローブの木を揺らし、ぶつかり合った枝が互いの枝や葉を落としている。木々の隙間は、まるで入り組んだ水路のようになっていた。「クラウン・シャイネス(シャイな樹冠)」と呼ばれる隙間だ。 クラウン・シャイネスは、コスタリカのマングローブからボルネオ島のリュウノウジュの森まで、世界中の森で見られる。しかし、森のてっぺんではなぜ枝同士が
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