宇根正志 インターネットを活用した電子商取引を展開するうえで、契約書等、商取引関連の文書を電子的かつ安全に取り扱いたいというニーズが、金融分野をはじめとする幅広い分野で高まっている。交信データの安全性を確保するためには、データの暗号化や取引相手の認証に加えて、後々の係争等に備えて、「だれが、いつ、どのような電子文書を、送信(あるいは受信)した」という事実を証明可能にする技術が必要とされている。 電子文書の送受信証明を行うためのプロトコルは、このようなニーズに対応する技術であり、その概念や枠組みはISO13888に規定されている。ISO13888はいくつかの送受信証明の実現形態を規定しており、特定のデータが特定時刻に存在したことを証明するタイムスタンプ・プロトコルも、その中の1つに含まれている。 送受信証明のプロトコルに関する研究は従来から進められており、最近では一部で商用サービスも開始され