中国などでのオフショア開発が円安によるコスト増に直面している。国内回帰を図ろうにも、日本はIT人材不足が深刻で難しい。オフショア頼みが続き、一部で価格転嫁が始まりそうだ。 2022年3月からの急激な円安が、国内外のIT人材の価格競争力に大きな影響を与えている。システムの設計やコーディング(実装)を担うシステムエンジニア(SE)の賃金が、日本と海外で急速に接近しているからだ。中国の北京や上海を拠点にするSEの賃金は、関係者の話を総合すると、円安が進んだ2022年5~6月の時点で日本の大都市圏を上回る水準に達した。 円安が進む前から、日本とオフショア先の新興国でSE賃金の格差は縮小し続けていた。「日中逆転」のようなオフショア開発の価格競争力の低下は、10年以上も前からいずれ来ると見込まれていた。経済成長でインフレが進むアジア諸国などで、SEの賃金上昇が5%台かそれ以上の高水準で続いているからだ
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