“いじる”という名のいじめ 命絶った「真っすぐな」中3 刻み込むような強い筆圧の文字だった。「いじめられている友達を護れなかった」と遺書を残し、川崎市で6月、市立中学3年の男子生徒=当時(14)=が命を絶った。「真っすぐで正義感が強い子だった」と両親は悲しみに暮れる。学校は、周囲は、なぜ彼と友人を救えなかったのか。 生徒は6月7日、自宅トイレで硫化水素を発生させ自殺した。そばにあったA4判の紙に、こうつづられていた。 「困っている人を助ける。人の役に立ち優しくする。それだけを目標に生きてきました。でも現実には友達(実名)も護れなかった」 「息子のこんな丁寧な字は見たことがなくて」。母親(44)は読み返すたび、涙があふれる。 遺書には「友達をいじめた」と生徒4人の実名も書かれており、市教育委員会が調査委員会を設置。生徒が通う中学で「うざい」「死ね」と言ったり、ズボンを下ろしたりする行