広野 彩子 日本経済新聞社NAR編集部次長 朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。 この著者の記事を見る
広野 彩子 日本経済新聞社NAR編集部次長 朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。 この著者の記事を見る
このコラムについて フリーターが立ち上げた音楽レーベル「残響レコード」が、いま、日本のメジャーなレコード会社を翻弄している。音楽不況の時代に若い世代のミュージシャンとファンの心をがっちり掴み、12人の社員★で年商5億円をあっさり突破した。「作り方も売り方も変わった。中間にいる人が変わらなければ存在価値がない」――。実績を背景に語る、“若く”“単純で”“力強い”新しいビジネスの方法論。 記事一覧 河野 章宏(こうの・あきひろ) 残響レコード社長、ギタリスト 1974年生まれ。岡山県倉敷市出身。2004年に自主レーベル「残響レコード」を10万円の資金で立ち上げ、2010年の決算ではグループ年商5億を売り上げる。「te'」のギタリストとしても活躍中。 プロフィール詳細
長期的に逆境が続くスーツ業界 今期、スーツ業界の調子がいい。昨年の東日本大震災の影響で手控えられていたスーツを購入する動きが出てきたことと就職活動向けスーツの売り上げが好調とのことだ。とはいえ、紳士服業界は手放しで喜べる状況ではない。団塊世代の大量退職に加え、少子化の影響で就業人口の絶対数も減っている。また、IT業界をはじめとするラフなスタイルでの就業も増え、業界全体の売上高は漸減している。そういった中、低価格のみならず、各社クールビスに対応したスーツなど機能性を重視した商品を展開して顧客獲得へ動いている。 昨年、岡山郊外のいわゆる紳士服のロードサイド店が大きく様変わりした。岡山駅から車で20分程度の幹線沿いには各種業界のロードサイド店が居並ぶ。その一角。以前は紳士服のはるやまが出店していた場所に昨年11月、見慣れない建物が突如出現した。 いわゆるショーウィンドウがない外観。しかもモノトー
「ビジネスである限り、どこまでも儲けを追求しないといけないんだろうか」 最近、企業のあり方について、そんなふうに考える機会が増えた。3・11から1年が経ち、その間、被災地に何度も足を運び人々の声を聞いた。その影響もあるのかもしれない。どうも、鼻息荒く、利益だの売り上げだのと取り立てる気分になれないのである。 やれ、どこぞの業界では某社が「ひとり負け」だとか、他社を食い物にして利益をさらったとか…。経済の潮流を語るうえでは重要な目線なのかもしれないが、イマイチ気が乗らない。 こういうことを書くと、「センチメンタルなことを言って。それでも経済誌の記者か」などと呆れられそうだ。が、取材先で出会った経営者に売り上げや利益について尋ねると、「売り上げを伸ばすことは重視していない」とか「従業員の雇用を守れて、安定した生活を送れるだけの稼ぎがあれば十分」といった声を耳にする機会が増えた気がする。 そんな
組織というのは2:6:2に分かれるものです。上が2割、中が6割、下が2割。大多数を占める6割の人がどちらを向くかで企業の成長も決まってくると思います。6割の人が上を向けば、組織全体の意識も上がってくるわけです。逆に、6割の人が下を向けば下降してしまう。真ん中で企業を支える人たちがどれだけ“やる木”になれるかが、とても大事です。 でも、みんなが上を向くように育てようとしても思い通りにはいきません。“やる木”を含め、潜在能力を引き出して「育つ環境」を作り上げるしかないと思っているんです。 人があってこその企業です。創業者も「人を大切に」とよく口にしていました。また、「自分の人生のことを考えなさい」、「自分自身の人間性が広がるようなことをしなさい」とも言っています。“やる木”というのはそういうところから生まれてくるのだろうと。人に言われて動くのではなく、その気になって自主的に動くからこそ、自己実
前回述べたように、世界的な不況の中、物作りの世界でも海外勢に負けず価値を認めていただけるようなブランド化をしていかなければいけないと思います。 では、ブランド化とはなんだろうと考えると、使っていただく人、商品を販売している人、流通している人などさまざまですが、商品に関わる全ての人たちに誇りを持っていただくことではないでしょうか。 そこに注力していこうということで、未来工業では同じ仕事をしていれば、パートや正社員で給与を変えるような雇用体系は取っていません。同じ仕事をしても同じ給料をもらえなかったら、やる気が出ないと考えたからです。これではいい商品を作ろうというモチベーションには繋がりません。 認めていただけるようなブランドを作るためにも、そのような賃金体系は通用しないとも考えました。 また能力にはポジションを与え、年齢には報酬を与えています。人にはさまざまな能力があるので、何をもって能力が
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回から読む) 前回、上海で日本の外食企業として最大、20店舗の直営チェーン店を展開中のサイゼリヤを訪ね、現地法人上海代表の田井野俊樹さん(46)に話を聞いた。 一般に中国ビジネスの現場では、日本のビジネスモデルをそのまま持ち込んでも市場の成熟度が異なるため通用しない。だから、「現地化」する必要があると言われる。ところが、彼はこうした通念に反して、「日本と同じことができたからうまくいった」と言う。今回はその真意を詳しく聞くことにしたい。 ―― メニューや人材育成の考え方など、日本と同じで特別なことは何もない。でも、最初からこうしたことは想定済みだったのですか。出店当時の話をお聞かせ願えますか。 「もちろん最初からそんなことわかっていたわけで
未曾有の不況といわれる中、多くの流通業やサービス業が苦境に陥っている。 報道されるのは、大手スーパーの熾烈な値下げ合戦や、低価格ファストフードチェーンの出店増ばかり。しかし、重要なのは価格だけなのだろうか。お客のサイフの紐をゆるめられないのは、消費が冷え込んでいるからなのだろうか。 「決してそうではない!」というふたりの著者がいる。ひとりは『新宿駅最後の小さなお店ベルク』を書いた井野朋也さん。井野さんは、新宿駅徒歩15秒、わずか15坪の店舗で駅ビル一の坪効率を誇る飲食店「ベルク」の店長。和田さんは「元祖ロングテール」とも言うべき、過剰な品揃えで強烈な存在感を誇った東急ハンズでの経験を語った『東急ハンズの秘密』を出版したばかり。 ふたりは、ともに現場の経験から、「いまの小売業・サービス業は消費者の根本的な欲求に応えられていない」と言い切る。ふたりの対談から、大不況下でも元気な「売れる店」の秘
人脈をネットワーク分析で自己診断 濃密すぎる人間関係は創造性を奪う 人間関係や人脈が助けとなって仕事がうまく進んだという経験を持つ人は多いでしょう。それとは逆に、「あの上司(部下)にはいつも胃の痛い思いをさせられる」といった人間関係の負の影響に悩む人はもっと多いかもしれません。 職務に関わる知識やスキルは、仕事をするうえで欠かせない資本と言えます。でも、それだけでは必ずしも仕事がうまく進むとは限りません。複雑なビジネスの世界では、1人の人間にできることには限界があります。個人に属する知識や技能に劣らず、周囲とどのようにつき合っているか、いかなる人脈を持っているかといった「関係性」が重要になります。 では、あなたの人脈は果たして適正なものでしょうか。ここでは、ネットワーク分析の手法を使って人脈を自己診断する方法をお話しします。ネットワーク分析とは、人々や組織の関係のパターンを、点と線をつない
「日経ビジネス」は6月28日号で以下のような特集を組んだ。「日本一楽しい職場――『もしドラ』を超える現実があった」(購読申し込みはこちら)。 長引くデフレとグローバル競争の激化で多くの企業には閉塞感が漂う。個々の職場に目を転じても、強いられる効率化と求められる成果の重みで職場に吹く風は滞る。「毎日でも会社に行きたい」。胸を張ってこう言い切れるビジネスパーソンはそれほど多くないのではないだろうか。 だが、つまらない職場に未来はない。 この国は今、時代の転換点に立っている。新興国が猛烈な勢いで飛躍する一方、足元を見れば、会社は閉塞感ばかりで成長の芽に乏しい。日本を牽引した製造業はより高い付加価値を求められ、国内ではサービス産業が経済成長の主体となりつつある。 この時代に必要なのはイノベーションであり、顧客を感動させるサービスだ。そして、それを実現するのは楽しい職場にほかならない。この特集に関連
林 厚見(はやし・あつみ)氏 スピーク共同代表。1971年東京生まれ。東京大学工学部建築学科、コロンビア大学不動産開発科修了。1997年よりマッキンゼー・アンド・カンパニーにて、諸業種大企業の経営戦略コンサルティングを行う。2001年スペースデザイン入社、2002年より財務担当取締役。財務、経営企画及びサービスアパートメント、サービスオフィスなどの開発における資金調達、業態企画、プロジェクト管理などに従事。2004年に事業用不動産の開発・再生プロデュースを手がけるスピーク(東京都渋谷区)を共同設立 林 厚見(以下、林) あんまり時代と関係なく、順調というか、“小さく順調”ですかね。東京R不動産は月間で約280万ページビュー。おかげさまで、20人ぐらいの規模でやっている不動産の集客数で言えば、たぶん日本で一番大きいんじゃないかと思います。 ただ、東京R不動産という事業自体、規模拡大は第1の目
米国の経済状況を見る最も分かりやすい指標は自動車と住宅だと言われる。この「米経済の2本柱」が明らかに回復傾向を見せている。 米国の成長率は第3四半期にはプラスに転化して形式上はリセッション脱却となろう。だが、景気対策の効果が剥落した後、反落する可能性は十分にある。 廃車インセンティブ、1週間で10億ドル消化 7月最後の週から始まった米国の廃車インセンティブ制度は予想外の成果を挙げた。燃費の良い自動車への買い換えに対し、最大4500ドル(約45万円)のインセンティブを政府が支払う制度である。 この利用によって7月最終週に自動車販売が急増。政府が手当てした10億ドル(約1000億円)のインセンティブ予算は、制度開始後わずか1週間で底をつき、米議会は急遽20億ドル(2000億円)の追加予算の法案審議に入った。 廃車インセンティブ制度は今回のリセッションに対応した景気対策としてドイツなど欧州で先ん
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン ゼネラル・エレクトリック(GE)社の元CEO、ジャック・ウェルチは、著書『わが経営』で、リーダーは「4つのE」をもつ必要があると述べています。 ・Energy:自らが活力に満ちあふれていること。 ・Energize:目標に向かう周りの人びとを元気づけること。 ・Edge:タフな問題に対しても決断ができること。 ・Execute:言ったことをとことんまで実行していくこと。 炎が燃え移るかのように 私の知人に、日本GEに勤めていた方がいます。ウェルチがCEOとして日本を訪れたときは、幹部社員として必ずウェルチに会っていたそうです。私は純粋にウェルチという人間に興味があったので、単刀直入に彼に聞きました。「そばで見るとウェルチはどんな人ですか。本に
前回は不況下において、無駄な投資をせずに今持っている資産をうまく活用するということで、ケータイサイトの「メディア化」について取り上げました。 今回は、不況を全く逆の側面からとらえて、「どうせ不況なんだから、すぐに成果を求めずにじっくり取り組む!」という視点で、どのような取り組みができるのかをテーマに考えてみたいと思います。 ログの取得が容易なインターネット上のサービス 一般的なビジネスと比べると、インターネットで展開するサービスは「履歴(ログ)」が取得しやすいという特徴があります。ネット上のサービスでは、「どの商品を見た」「どんな商品を買った」といった情報に加え、会員制でサービスを提供している場合は「どのような人」かまでログとして取得できます。もちろん、従来のビジネスにおいても、会員証やクレジットカードなどを使ったCRM(顧客情報管理)システムで同様の施策は実現可能ですが、ログの取りやすさ
2007年5月、中国で初めて日本アニメの海賊版を購入し、つぎつぎと再生してチェックしていたとき、おもしろいことに気がついた。 中国で流通している日本アニメの海賊版ソフトは、日本のテレビ放送やパッケージソフトをそのままコピーしたものだから、音声そのものは日本語のままである。そこで当然、画面に中国語の字幕がつく。海賊版とはいっても、字幕部分は業者たちがオリジナルで作らねばならない。 そのためには高度の語学力が要求されるはずだ。しかし、海賊版と聞くと、ふつう連想するのはマフィアか暴力団組織。そういった組織に語学力の高い者がいるとは思いにくい。となると、そこが日本語のわかるプロでも雇用しているのだろうかと想像してしまう。 しかし、ちがっていた。私は偶然とんでもない発見をしてしまったのである。 ある海賊版DVDを再生していたときのことだ。 私の目はパソコンの画面に釘付けになった。番組の冒頭に「字幕組
第7回:ミシュラン騒動のルーツは、鳥獣戯画にあったぞ! 2007年12月5日 水曜日 関橋 英作 「日本人という浮かれ好きターゲットの巻き込み方、教えます。」 人が集まれば、「ミシュランガイド」の話題。これが、1週間くらい続いたでしょうか。よく行っている店が選ばれた、この店が選ばれるのは納得がいかない、この店が選ばれないのはちゃんと見ていない証拠だ、どうも基準があいまいだ、などなどです。みなさんも、同じような会話をしていたに違いありません、どうですか? 私の感想は、久々に海外の価値観に右往左往させられているなあ、でした。ま、もともと外国に弱い国民ですから、当然といえば当然ですが。それにしても、三ツ星に選ばれたお鮨屋さんなどは、電話が鳴りっぱなし、ほかのお店も予約が取れない状態が続いているそうです。そろそろブームや権威に流される国民性は、終わってきたのかなあと思っていましたが、いや、見込み違
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン イノベーションは1人の天才のひらめきから生まれることもあれば、組織の継続的な努力から生まれることもあります。組織によるイノベーションにおいてリーダーシップが重要なことは言うまでもありませんが、組織の中で個人がイノベーションを生み出す場合でも、個人を支えるリーダーシップの重要性には変わりがありません。 私は日頃の仕事を通して様々な経営者とおつき合いをしていますが、明らかにイノベーションの創発を導くことが得意な経営者と、そうでない経営者が存在するようです。この記事を読んでいる皆さんも、「この上司の下だと発想が広がる」「あの上司の下では、決められたことだけ片づけてさっさと帰ってしまおう」というように、リーダーによって仕事のクリエイティビティーに差が
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