平成最後となる2019年度当初予算案は、一般会計の総額が初の100兆円超えになる見通しだ。19年10月に予定する消費税率10%への引き上げに備える景気対策に加え、高齢化の進展に伴う社会保障費の増加などで歳出が膨らむためだ。政府・与党は、12月下旬の予算案決定に向け調整を本格化させるが、さまざまな歳出圧力の中で、“焦眉の急”だったはずの財政健全化がかすんで見える。 経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)は、消費増税前後の駆け込み需要と反動減を抑える対策の実施を盛り込み、19年度当初予算で手当てするとした。政府は消費税率を5%から8%に引き上げ、景気を冷え込ませた14年と同じ轍(てつ)を踏まないよう「対策に万全を期す」(安倍晋三首相)構えだ。 景気対策の規模は上限を設けていない。そのため、14年の消費増税時に実施した経済対策が5兆円規模だったことを念頭に、今回はそれ以上に膨らむと見る向きが