大阪・日之出の教科書無償化闘争 教科書無償闘争と言えば、高知・長浜の闘いが国を動かす決定的な闘いとなった。しかし、実は、その前段として京都・大阪の闘いがあったことは、あまり知られてない。 当時、20代だった部落の青年たちが差別と貧困により、教科書すら買えず、給食代を持って行けない部落の子どもたちが、教員から「給食代を忘れた子」とプラカードを首から下げられ、運動場を走らされていた。 そして、子どもたち自身も教育闘争に立ち上がり、やがては教科書無償化を勝ち取る。 絵本作家として有名な長谷川義史さんは、大阪・日之出の部落の聞き取りを元に『おたまさんのおかいさん』(解放出版社、2002年)を出版し、講談社の絵本賞を受賞した。 その「後書き」に、しっかりと、日之出の教育闘争が書かれている。 同和教育とは、部落問題学習だけではない。差別と貧困によって奪われた子どもたちの教育権を奪い返す、保障するための