2017年12月に完成した藤沢市役所本庁舎。今年1月には分庁舎も供用が始まった。今後、他の公共施設でも複数の再整備事業が控える 財政事情 今後5年間で584億円の財源不足が見込まれる――。市議会行政改革等特別委員会で、市がそう報告したのが2018年11月のことだった。 19年度から23年度の中期財政計画に基づくもので、社会保障関連の扶助費や更新期を迎えた公共施設の再整備費などが膨らんだことが主な要因だった。市関係者は「大変厳しいという認識」とする一方、こう強調する。 「中期財政の見通しは想定する全ての事業を実施した場合の数字。財政状況がひっ迫しているということではない」 ◇ その言葉通り、市の台所事情は現状、「健全状態」を維持。2014年度以降、国から普通交付税を受けない「不交付団体」を堅持し、必要な歳出に対する収入の割合を示す「財政力指数」は17年度決算で政令市を除く県内16市の中で上位