防災に弁護士と銀行員!?実は、日本の防災には法と金融の力が欠かせなかった。東日本大震災で無料法律相談を先導してきた弁護士の岡本正氏と、防災・減災に取り組む企業を評価するBCM格付け主幹の蛭間芳樹氏が語る、日本のこれからの防災の話。(構成/山本菜々子) 蛭間 東日本大震災から5年を経過し、日本の防災はどのように変わってきたのか。今日は、弁護士の岡本さんと銀行員の私とで、防災や危機管理の話をしたいと思います。読者の皆さんは、なぜ、この組み合わせで防災の話を? と思われる方もいるかもしれません。 岡本 一般的には、備蓄や耐震化が「防災」のイメージだと思います。あるいは、「津波を予期したら自分の判断で率先して逃げる」「地震がきたら安全な場所に隠れたり、身を小さくする」いった、災害が起きた瞬間に命をどう守るかについて。もちろん、それらこそが最も大切な「防災」であることは疑いません。 ですが、仮に命が