★★★★☆(評者)池田信夫 行動ゲーム理論入門 著者:川越 敏司 販売元:エヌティティ出版 発売日:2010-03-17 クチコミを見る ゲーム理論は誤解されやすい。まず、その名前がよくない。チェスなどのゲームの必勝法のように見えるので、「ビジネスに勝つゲーム理論」という類の本がよくあるが、こういう本を読むのは無駄である。それは人間がどのような戦略的行動をとるかについての実証的理論であり、どう行動すれば勝てるかについての理論ではないからだ。その内容も、歴史的に変化してきた。 ゼロ和ゲーム理論:フォン=ノイマンが1928年に発見した理論。チェスのような一方が勝つと他方が負けるゲームには、必ず解が存在することが証明された(これをツェルメロが証明したというのは誤り)。 協力ゲーム理論:フォン=ノイマンがモルゲンシュテルンとの共著で構築した、難解で役に立たない理論。ゼロ和n人ゲームになると、経済学