2011年3月11日の東北・北関東における大震に際して 【「先見性」のある過去の議論に対する現在の態度について 2011年3月30日】 以下の一連のツィッターのやり取りのように、石橋克彦氏の大規模地震災害に対する「先見性」を高く評価する議論に接すると、地震防災に関わってきた研究者、とくに、社会科学関係の研究者は、大変に複雑な思いを持つのでないだろうか。 確かに、石橋氏は、1990年代半ばごろから、大震災の可能性について、とりわけ、震災の広域性や複合性、長周期振動に対する構造物の脆弱性、原発震災の蓋然性について、論文で、著作で、講演で警鐘を鳴らし続けてきた。以下のツィッターでも引用されている文献において浜岡原発震災に関して論じていたことのほとんどが、今般の福島第1原発震災で起きたというのは、けっして誇張ではない。その意味では、石橋氏の論考は「先見性」のあるものであった。