東日本大震災の被災地、実家のある福島県いわき市へ行ってきた。独り暮らしの母の「疎開」のためだ。水道の不通、ガソリンの枯渇、鉄道を軸とする基幹交通網の停止。三重苦のなか、往復に3日を要した。 同市小名浜にある実家は、大型の漁港や工場群が続く海岸線から1キロ奥まった市街地にある。11日、震度6強を記録し、津波も起きたというが、電話がつながらない。築40年の木造家屋が無事とは思えなかった。 幸い、同日夜になって災害用伝言サービスにメッセージが吹き込まれていた。家に大きな被害はなく、水道が止まっただけだという。 大津波警報による東名高速道路の通行止め解除を待ち、13日午前、自家用車で奈良を出発した。東北地方の鉄道は復旧していないし、東京・いわき市間の常磐自動車道も止まっている。阪神大震災を取材した時の大渋滞を思い出したが、東京から先は国道6号を北上するしかなかった。 夕刻、東京から千葉県へ入るあた