◇弱者摘発 ジレンマ 資源ごみを集めて換金し、食いつないできた生活困窮者たちが摘発される例が相次いでいる。ごみ捨て場の古紙やアルミ缶などを持ち去らないようにと、条例で定めた自治体が増えたためだ。条例の本来の目的は悪質業者の取り締まりだが、「ホームレスを追い詰め、自立を妨げるような運用は避けるべきだ」との声が、弁護士から上がっている。 ◇ホームレスを刑事告訴/行政「住民要望」 昨年11月、住所不定無職の60代男性が、草加市内のごみ集積場から雑誌5束(約25キロ、121円相当)を勝手に持ち去ったとして、草加署に現行犯逮捕された。逮捕容疑は、市の「廃棄物の処理及び再利用に関する条例」違反。パトロールしていた市職員が発見、同署に連絡した。 弁護士らによると、男性は知人たちとともにアパートを借り、日雇い仕事で生計を立てていた。しかし、逮捕の4カ月前に知人たちがアパートを離れて、家賃が払いきれ