■スチューデント・アパシー 斎藤環氏の『社会的ひきこもり』(1998年)を読んでいたら、「一九六一年にスチューデント・アパシーを初めて記載したP・A・ウォルターズ」という記述があって、「!」と思った。ベティ・フリーダンが報告していた「大学を退学したある青年」の事例は、年代的に言っても「スチューデント・アパシー」に近いケースだったのではないかと。ウォルターズはハーバード大学保健センターの精神科医であり、1961年にアパシー学生の4症例を報告しているらしい。私が注目したのは、この「スチューデント・アパシー」が、「男らしさ」の問題と「競争の回避」に関わっているということ。 スチューデント・アパシーは男性にしばしばみられ、テストなどの競争的場面を避ける傾向があります。このため男性としてのアイデンティティが発達しにくくなり、これが主な原因となってアパシー状態が続きます。また、「競争の回避」は一種の攻