2011年11月12日18:43 カテゴリ本 速い思考と遅い思考 本書は著者がノーベル賞講演で示した枠組を一般向けに敷衍し、行動経済学をデカルト以来の「意識中心主義」を否定する知的な革命として位置づけるもので、社会科学を学ぶ者すべての読むべき21世紀の古典となるだろう。ナシーム・タレブは、本書に最大級の賛辞をささげている。“This is a landmark book in social thought, in the same league as The Wealth of Nations by Adam Smith and The Interpretation of Dreams by Sigmund Freud”もっとも著者はそういう大げさな言葉は使わず、具体的な実験で淡々と「人間が意識的に行動している」という新古典派経済学の神話を反証する。その原因は、脳がきわめて非効率的にできて