暑い盛り。辛いものを食べて暑さを吹き飛ばしたいと願う人もいるだろう。それをかなえてくれる食材が、唐辛子だ。 赤く熟した実は見るからに辛い。実際に口にしてみると、やっぱり辛い。そして、食べているときは苦痛さえ覚える。ところが、しばらく経つとまたあの辛さが恋しくなる。唐辛子はかくも魅力的な食材だ。 いまや世界中で育てられ食べられている唐辛子。真っ赤に染まったキムチ、チゲを食べる韓国や、口がヒリヒリするほど辛みの利いた麻婆豆腐を食べる中国南部と比べ、日本で唐辛子はさほど好まれないと言われる。だが、日本人には日本人としての唐辛子との長いつきあいがあったのもまた事実だ。そこからは、辛さの日本的な受け入れ方も見えてくる。 今回は唐辛子をテーマに、日本における歴史と現代科学を追ってみることにしたい。前篇では、“辛さの日本的な受け入れ方”を探るべく、日本人と唐辛子とつきあいの歴史を追っていく。後篇では、唐
この連載では、私たちの日常生活に身近なのにあまり話題にならない業界の構造分析を紹介する。著者・上山信一(慶應義塾大学総合政策学部教授)は元マッキンゼーのコンサルタント(共同経営者)である。今回の連載は、湘南藤沢キャンパス(SFC)の上山ゼミ(経営戦略)で、学生たちが日々、額に汗を流して調査・研究した結果を下地にしている。私たちのゼミでは、この2、3年でおよそ30の業界を見てきた。その中から、ビジネスパーソンにとって新しい発見となるような事例を選んで紹介したい。 まず、最初に筆者から質問をさせていただきたい。読者は今朝、何を召し上がっただろうか。そして、どこで。 95%が自宅で朝食をとり、4分の3は15分未満で終わる 従来、食品産業は、肉・魚・野菜など、食材の切り口、あるいは、外食・中食・内食など、<食事の場×調理者>の切り口から分析されることが多かった。しかし、<朝食・昼食・夕食>というタ
2005/09/27 ロック・フィールド成長の秘密!! (7) テーマ:ビジネス・起業に関すること。(19452) カテゴリ:商品開発のヒント 中食と呼ばれる、そうざいのマーケットで元気な企業があります。 洋そうざいの「RF1(アール・エフ・ワン)」や「神戸コロッケ」、 地域密着型のそうざい店「そうざいや 地球健康家族」などを中心に、7種類のお店を展開する ロック・フィールドです。 ロック・フィールドは、今では、そうざいの分野でNO.1の企業に成長しました。 2005年4月期の決算で、売上高414億3900万円と、 前年比104.7%の実績をあげており、営業利益、経常利益ともに堅実に成長しています。 その成長の大きな要因として、「そうざいを科学する」という考え方があります。 そして、その考え方を具体的に実践した画期的なそうざいの生産管理方式が、 2002年から取り入れている「ジャストインタ
2005/10/16 ロック・フィールド の新業態 「いとはん」 登場!! (12) テーマ:食べ物あれこれ(49970) カテゴリ:商品開発のヒント 渋谷の東急百貨店東横店1階の「東横のれん街」に、 10月13日、和そうざいのお店「いとはん」がオープンしました。 阪神梅田店、船橋東武店などに次ぐ、4店舗目です。 昨日、早速出かけてみましたので、ご紹介しますね。 経営母体は、「RF1」や「地球健康家族」などを中心に 魅力的なそうざい業態を展開する、ロック・フィールド。 (以前、「ロック・フィールド成長の秘密」と題して書きました) 「いとはん」は、本格的、かつスタンダードな和そうざいのお店。 和そうざいをアレンジしたメニューが人気の「三日坊主」という業態の進化版です。 日本人の心と身体が本当に求める「食」を提供することをコンセプトにしています。 日本の伝統料理や郷土料理を基本に、煮物、焼き物
東京の街角で最近、新興の飲食チェーン店である「東京チカラめし」の店舗をよく見かけるようになりました。居酒屋「東方見聞録」などで知られる三光マーケティングフーズが2011年から展開している、焼き牛丼のチェーン店です。経済系のメディアは東京チカラめしの進撃について「牛丼チェーン店の勢力図に変化が訪れる可能性がある」と報じるようになりました。 そんな中で筆者が気になった話題は、業界勢力図の変化でも、同チェーンの未来展望でもありません。東京チカラめしという「語形」が気になったのです。筆者は、最近登場した食文化関係の造語に「○○飯(めし)」という語形が多いとの印象を持っています。 例えばマンガ界からは「ズボラ飯」(久住昌之原作、水沢悦子作画「花のズボラ飯」)という造語が登場。またテレビ界からは「サラメシ」(NHKが2009年より放送している番組のタイトル)という造語が登場しています。ちなみにズボラ飯
2011年9月の1号店オープン以来、価格破壊の高級料理店として飲食業界に旋風を巻き起こしている「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」。わずか1年あまりで銀座を中心に「俺のイタリアン」5店、「俺のフレンチ」4店をオープン。しかも全ての店舗で予約が1カ月待ちになるほどの盛況だ。 低迷が続く飲食業界の新しいビジネスモデルとして注目が高まるなか、同店を経営するバリュークリエイトは、いよいよ和食に進出することを発表。立ち食いの高級和食店「俺の割烹」を2013年早々から銀座にオープンさせるという。しかもこれまでの小規模な系列店とは違い、席数100を超える大型店となる予定だ。同社では1日に3回転させるとして、300人以上の来客を見込んでいる。 イタリアンとフレンチが絶好調な今、なぜあえて割烹に進出するのか。イタリアンやフレンチとは比較にならないくらい閉鎖的といわれる和食の世界で、これまでと同じビジネスモデル
街の顔の1つ、パン屋。地元客が食パンやバゲットを買い求めていく。店頭には、定番の食パン、メロンパン、アンパン、タルトやデニッシュが並ぶ。 そんな街なかの身近なパン屋に変化が起こりつつある。パンの消費量が伸び悩み、総数としてはパン屋の数が減っているのだ。厳しくなる状況の中、パン屋はどのようにして顧客の心を掴んでいくのだろうか。 業界では多様化が進んでいる。手作りにこだわるパン屋もあるが、冷凍生地をメーカーから仕入れ店で焼いたり、既にパンを焼いた状態で仕入れたりする形態も出てきた。中でもブームなのが、店舗面積が小さな“コンパクト”なパン屋だ。そこでコンパクトなパン屋が脚光を浴びている背景を、日本のパン業界の歴史を見ながら探っていきたい。 日本にパン食が浸透したワケ 年間の販売額が約1兆4000億円にもなるパン。コメ文化の日本に、パンがこれほど浸透したのはなぜか。 日本に最初にパンが入ってきたの
トマトの収穫最盛期を迎え、「トマトフェア」と称して様々なトマトを販売する店舗を見かけるようになった。近年、トマトの人気が続いている。2006年にはトマトの専門店がオープン。トマトをメインにしたレストランと、トマトの加工品を販売する複合型店舗が、現在都内を中心に多店舗展開している。2012年には「トマトはメタボ予防に効果あり」と報道され、店頭で品薄になる店もあったという。「トマト鍋」など食べ方も広がってきている。 そんなトマトの全国的なブランド化が加速している。「桃太郎」、高糖度の「アメーラトマト」「みつトマト」「光樹とまと」「あまエル」。塩分が多い土壌で作られる「塩トマト」といったものもある。数えればきりがないほどだ。 なぜ、いまトマトのブランド化が加速しているのか。ブランド化に成功した事例を取り上げつつ、背景を見ていきたい。 全国各地で栽培されるトマト
日本人の国民食と言えば、ラーメンとカレーだ。そして、『ココイチ』と聞けばカレー好きのみならず、日本人ならだれもが知っているといっても過言ではなかろう。日本を代表するカレーチェーン店『カレーハウスCOCO壱番屋』の通称である。 それにしても他方の国民食、ラーメンに関しては、全国チェーンはあれども一大チェーンは、これだという店をなかなか思いつかないのに、カレーといえば、全国ほぼ『ココイチ』で決まりである。 それもそのはず、今年、壱番屋は『ココイチ』1号店のオープン日と同じ1月17日に、カレーチェーンの店舗数でギネス世界一に認定された。その数、昨年12月末現在で国内1205店、海外100店の計1305店!この数字は、ただ店舗数の拡大だけを狙ったからといって簡単には達成できない数字だ。いったい何がこれほど多くのカレー店舗経営を可能にしているのであろうか。その秘密に迫った。 "のれん分け制度"で店長
「信長のシェフ」をご覧になっただろうか。西村ミツル作による同名のマンガ(梶川卓郎画、芳文社『週刊漫画TIMES』)を元に作られたドラマだ。平成から戦国時代へタイムスリップした腕利きのフレンチシェフ「ケン」が、信長の料理人として活躍する話である。全9回の平均視聴率は10.9%と、ドラマ低視聴率の時代ではなかなかのヒットであった。 このドラマをきっかけに調べてみたところ、どうやら最近、武士の料理、つまり“武士メシ”が密かなブームになっているようだと知った。そこで「武士メシに学ぶ」というテーマで武士メシブームを前後篇でひもといてみたい。 前篇では、厳しい戦国時代における武士メシから、戦うためにメシを食べることの大切さを考えてみる。後篇では、いくつかのレシピとその効能から、武士メシの魅力を探ってみる。 メシ、これすなわち戦略なり 3月15日に最終回を迎えた「信長のシェフ」。その面白さは、メシを利用
スターバックスコーヒーに代表される「シアトル系」に続く新しいコーヒー・カルチャー「サードウェーブ」が米国で生まれ、日本にも広まりつつある。 サードウェーブコーヒーは個人経営の小規模な専門店が中心だったが、ここに来て大手飲食企業も続々と参入。ロイヤルグループで「シズラー」「シェーキーズ」などを展開するアールアンドケーフードサービスは2013年3月7日、サードウェーブ・スタイルを取り入れた新しいコーヒーショップ「Standard Coffee(スタンダードコーヒー)」をオープン。3月21日にはユーシーシーフードサービスシステムズが新業態「東京ロビー」をオープンした。 そもそもサードウェーブとはどんな“波”なのか。これまでのコーヒーと何が異なるのか。
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