100℃程度の温泉水を利用して発電する「バイナリー発電」が、主に温泉地の注目を集めている。12月から大分県別府市の別府温泉で、日本で初めて温泉を利用したバイナリー発電設備の建設が始まった。 バイナリー発電設備を建設するのは、別府市で650世帯の住宅に温泉水を供給する事業を続けてきた「瀬戸内自然エナジー」だ。1分間に800リットルの熱湯が噴出する源泉を管理しているが、住宅に温泉水を供給しても余ってしまい捨てていたという(図1)。 瀬戸内自然エナジーでは、温泉水を捨てるのはもったいないと考え続けていたが、有効活用する手段がなかなか見つからなかったという。しかし、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まり、バイナリー発電という発電法があると知り、導入の検討を始めた。 バイナリー発電なら本格的な地熱発電とは異なり、高温の熱源を求めて地下を深く掘る必要がないので、工事費が安く済む。温泉への悪影響も