首のけがで人工呼吸器をつけ、車いすで生活する北九州市の女性(27)がこの春から、ヘルパーを雇って大学に通っている。経済的な負担から一度は諦めかけたが、国のモデル事業を使うことができた。障害者の通学支援は自治体間で差があり、行き届いていないのが実情だ。 北九州市立大(同市小倉南区)の教室。女性ヘルパーがかばんからノートパソコンを取り出し、岩岡美咲さんの席に置いた。パソコンはあごに貼ったシールの動きを感知する仕組み。岩岡さんはあごを器用に動かし、授業で使う資料を開く。 行き帰りや学内の移動で車いすを押すのもヘルパーだ。モデル事業の年400万円(上限)の予算で雇う。「事業がなかったら大学は諦めていた」と岩岡さんは言う。 高校2年のとき、器械体操の競技中に頸髄(けいずい)を傷め、四肢がまひした。両親が介護するが、「いつか自立しなければ」と地域福祉を学ぶため市立大を受けた。 今年施行された障害者差別
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