写真提供 CPU World CPU黒歴史編の3回目は、インテルのRISC CPUである「i860」を取り上げたい。型番が同じ“860”なので、Xeon向けにデュアルプロセッサー構成をサポートしたDirect RDRAM対応のチップセット「Intel 860」などと間違えやすいが、まったく別の製品である。 CISC vs RISC論争華やかなりし頃 インテルが作ったRISC CPU i860について解説するには、前回紹介した「iAPX 432」の失敗が明らかになりつつあった、1980年初頭の状況から始める必要がある。当時のCPU市場は、RISCプロセッサーが台頭してきた時期に当たる。 当時はスタンフォード大学で「MIPS」プロジェクトが開始された頃。1984年にはMIPS Computer Systems社が設立されて、1985年に最初のCPU「R2000」が登場する。同じ1985年には、