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デリダ 脱構築の検索結果1 - 40 件 / 55件

  • 【SFマガジンで話題沸騰】特別対談:宇多田ヒカル×小川哲 全文を無料公開!|Hayakawa Books & Magazines(β)

    ベストアルバム『SCIENCE FICTION』を発表した宇多田ヒカルさんと、ハヤカワSFコンテスト出身の直木賞受賞作家・小川哲さんによる、SFマガジン史上に残る豪華対談が話題となり、発売前にもかかわらず増刷なったSFマガジン2024年6月号。本欄では、その対談全文をなんと無料で公開いたします! SFマガジン2024年6月号 定価:1320円(税込)早川書房特別対談:宇多田ヒカル×小川哲撮影:古谷勝/Styling:小川恭平/Hair and Make-up:稲垣亮弐「Automatic / time will tell」での鮮烈なデビューから25 年――初のベストアルバム『SCIENCE FICTION』を発表した宇多田ヒカルと、ハヤカワSF コンテストからデビューし『地図と拳』での直木賞受賞も記憶に新しいSF 作家・小川哲の特別対談が実現。二人のアーティストを育んだ「SF」そして「文学

      【SFマガジンで話題沸騰】特別対談:宇多田ヒカル×小川哲 全文を無料公開!|Hayakawa Books & Magazines(β)
    • 書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など

      「社会正義」はいつも正しい: 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン・プラックローズ,ジェームズ・リンゼイ,Helen Pluckrose,James Lindsay早川書房Amazon 本書はアメリカのアカデミアで吹き荒れる行き過ぎたポリコレ,アイデンティティ・ポリティクス,社会正義運動,キャンセルカルチャーがどのような思想的な流れの上に発生したものか,代表的な議論はどのようなものか,そしてこれに対抗するにはどうすればいいのかを語る本になる.著者たちはこれらの運動の基礎にあるのは1970年代に一世を風靡し,その後その非生産性とシニカルさから衰退していったと思われていたポストモダニズムにあるのだと喝破し,詳しく解説してくれている.著者は第2のソーカル事件(不満スタディーズ事件)の首謀者でもある数学者のジェームズ・リンゼイと評論家のヘレン・プラックローズ.原題

        書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など
      • 「透明」になって傷つける~日本の離婚の専門家たち(田中俊英) - 個人 - Yahoo!ニュース

        ■39名 前回、日本における「子ども」とは、産業革命以前の「小さな大人」でもなく近代的「権利の主体」でもなく、それはあたかも鑑賞物のような、目の前にある置物のような、主体的意思は持っているのだろうがそれ以前にこちらに従属する付属品(英語ではアタッチメント)のような、「オブジェ」のような存在ではないか、と書いてみた(子どもはオブジェ~小さな大人でもなく、権利の主体でもなく)。 そのような客観的モノである存在であれば、子どもの意思に無断で「誘拐」することにはそれほど罪悪感は抱かないはずだ。 そう、我が国では、夫婦が離婚する際、一方の親(母が多い)が他方の親(父が多い)に無断で、子どもを連れ去ることが日常的に起こっている。日本で毎年離婚する20万組のうち、その行為は10万組とも15万組ともあると言われる。 欧米諸国からは日本のこの「連れ去り」行為は「誘拐」とみなされ、ヨーロッパ(フランスほか)を

          「透明」になって傷つける~日本の離婚の専門家たち(田中俊英) - 個人 - Yahoo!ニュース
        • 文学解釈における価値最大化理論|スティーヴン・デイヴィス「作者の意図、文学の解釈、文学の価値」(2006) - obakeweb

          Davies, Stephen (2006). Authors' Intentions, Literary Interpretation, and Literary Value. British Journal of Aesthetics 46 (3):223-247. [PDF] スティーヴン・デイヴィスによるBJAの論文「作者の意図、文学の解釈、文学の価値」のまとめです。*1 「作者の意図と文学解釈」というホット・トピックにおいて、「価値最大化説」を定式化した重要論文です。同様の立場はそれ以前のDavies (1982)でも提唱されているが、その後出てきた諸ライバル理論を踏まえて書かれたのが本論文。この手の話題で参照されないことはない程度には定番の一本です。 〜〜ここまでのあらすじ〜〜 ウィムザット&ビアズリー(1946)「作者の意図はいりませーん!」【反意図主義】 バルト「作者は死ん

            文学解釈における価値最大化理論|スティーヴン・デイヴィス「作者の意図、文学の解釈、文学の価値」(2006) - obakeweb
          • 「生まれてこなければよかった。反出生主義シンポジウム」2019年11月24日の日記|品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)

            ・なんかあと2時間後くらいにnoteのメンテがあってアクセスできなくなるみたいだから焦って書いてます。 11/24(日)学習院大学にて「『現代思想』11月号にまつわるシンポジウム」が開催されます。Peripatosも若干協力しております。豪華登壇者陣による反出生主義をめぐっての最先端の議論が楽しめるはずです。入場は無料となります。是非、奮ってご参加下さい! pic.twitter.com/7oJIIuSVsB — Peripatos GU (@Peripatos_G) November 16, 2019 ・ちょうど先月末の『現代思想』で反出生主義が特集されたばかりとあって、一部マニアの間では反出生主義はポケモン剣盾と同じくらいの盛り上がりを見せていると言ったら完全に嘘ですが、まあ流行っているのです。 ・今回のシンポは入場無料で、興味がある人であれば誰でも侵入していいみたいだし、一回くらい学

              「生まれてこなければよかった。反出生主義シンポジウム」2019年11月24日の日記|品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)
            • 分析美学者から見たポストモダニズム|obakeweb

              こんにちは、ポストモダンおちょくる芸人です。 分析vs大陸のいがみ合いが三度の飯より好きなのですが、ラウトレッジ・美学コンパニオンに「ポストモダニズム(postmodernism)」の項目があったのでかんたんに紹介。 書いているのはDavid Novitzという南アフリカ出身の美学者。描写の哲学やフィクション論で注目すべき仕事をしていた人だが、がんで若くして亡くなっている。 後で述べる通り、そこまで情報量のある論文ではないですが、英語圏の哲学・美学において、フレンチ・セオリーやポストモダニズムがどう扱われているのか関心があったため、読んでみました。 以下レジュメ。 ----------✂---------- 1.ざっくりした歴史■啓蒙思想と近代哲学(16〜17世紀) 王、教会、封建制、貴族制が支配する中世から、個人の理性が重視される近代へ。 数学や論理や実証を通して、誰でも世界について正し

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              • 「読む」とは哲学的にいかなることなのか?(デリダ『グラマトロジーについて』読書会の終わりに)|森脇透青

                ※ 一年近くかけて実施した読書会が先日(2021.8.28)終了した。対象図書はジャック・デリダ『グラマトロジーについて』(1967年)。以下は、その読書会の締めくくりとして、最終回で読み上げた文章を一部加筆修正したものである。投げ銭用に有料設定してあるが、無料で全文読める。なお、その途中過程でもいくつかのまとめやエッセイを書いているので、お手隙の際にでもお読みいただきたい。 ———————— この読書会のテーマは「読むこと」であった。「グラマトロジー」とは、リトレ辞典によると「文字、アルファベット、音節区分、読むこと(レクチュール)と書くこと(エクリチュール)についての概論」である。以下では、デリダの議論から——それ自体「読む」ことによって——引き出されたいくつかのアイディアをテーマに即して、簡素な仕方ではあるが整序しておこう。 (なお、デリダは私の研究対象ではあるが、この文章自体は「デ

                  「読む」とは哲学的にいかなることなのか?(デリダ『グラマトロジーについて』読書会の終わりに)|森脇透青
                • ジェロルド・レヴィンソンと芸術に関する文脈主義 - obakeweb

                  1 ジェロルド・レヴィンソン[Jerrold Levinson]は現在メリーランド大学で卓越教授を務める美学研究者である。音楽の存在論における「指し示されたタイプ説」や、解釈と意図における「仮説意図主義」、芸術の意図的=歴史的定義など、さまざまなトピックにその後のスタンダードとなるような立場を提供しまくっている、キレキレの論者だ。*1 レヴィンソンの芸術哲学の中心をなすのは、「文脈主義[Contextualism]」という考えである。本稿では「美的文脈主義[Aesthetic Contextualism]」という2007年の論文をもとに、レヴィンソンという論者の思想的コアを手短に紹介する。いまや分析美学ではデフォルトといっていい立場である文脈主義の一般的なガイドでもある。 Levinson (2007)は、次のように文脈主義を説明している。 芸術作品とは特定の種類の人工物であり、特定の個人

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                  • #04「魔女とトランスジェンダーの系譜学」

                    現代魔術研究者の磐樹炙弦が紐解く魔女とフェミニズムの年代記。トランスジェンダリズムの歴史と現在、その背景で渦巻く魔女の舞踏をめぐって。 <<#03「蕩尽と知と恋愛の18世紀末(2)──汝の意志することをなせ」を読む J.K.ローリング 「ハリー・ポッター」シリーズの原作者、J.K.ローリングが2020年6月にTwitterに投稿した一連のツイートが、トランスフォビア的であるという批判を浴びた。直後、映画「ハリー・ポッター」シリーズの主演俳優ダニエル・ラドクリフが批判と「ローリングに替わって」謝罪を表明。フェミニスト、トランス活動家、ハリウッドを巻き込んでの論難は、今日まで後を引いている。 https://www.bbc.com/japanese/53003426 https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/daniel-radcliffe-respo

                      #04「魔女とトランスジェンダーの系譜学」
                    • 予備知識ゼロから『ジェンダー・トラブル』をとりあえず読めるようになるための読書案内 - 境界線の虹鱒

                      ジュディス・バトラーの『ジェンダー・トラブル』は、フェミニズムやクィア・スタディーズのみならず様々な領域に多大な影響を与えた重要な著作です。しかし内容も文章もかなり難解で、おそらく予備知識なしには読めないものだと思います。そのため本記事では、『ジェンダー・トラブル』を読むうえで必要となる予備知識をできるだけ手軽に学べるよう、いくつかの本を紹介していきます*1。 目次 目次 フェミニズムを知る クィア・スタディーズを知る 構造主義・ポスト構造主義哲学に触れる 『ジェンダー・トラブル』以前のフェミニズム理論を確認する ジュディス・バトラーについての解説書 おわりに:『ジェンダー・トラブル』に触発される 忙しい人向けの最短コース(2022年12月9日追記) 注釈 フェミニズムを知る ●清水晶子『フェミニズムってなんですか?』文春新書(2022年)(2022年12月9日追記) フェミニズムの歴史か

                        予備知識ゼロから『ジェンダー・トラブル』をとりあえず読めるようになるための読書案内 - 境界線の虹鱒
                      • 浅田彰×千葉雅也「今なぜ現代思想か」|文藝春秋digital

                        ニューアカブームからLGBTQ+まで、思想界の二大スターが徹底討論。/浅田彰(批評家)×千葉雅也(哲学者・作家) 千葉氏(左)と浅田氏(右)相対主義の重要性 浅田 千葉さんの『現代思想入門』は、難しい問題を扱いながら、読者の手を取って案内するようにわかりやすく書かれてますね。現在9万部だそうだけど、広く読まれているのも納得がいきます。 千葉 ありがとうございます。僕はもともと、フランスの哲学者であるジル・ドゥルーズの研究で博士論文を書いたり、それ以前の学部時代にもジャック・デリダやミシェル・フーコーの著書を読んできました。彼らの思想を相互に絡めながらずっと考えてきたので、今回の本はそんな自分の解釈の総まとめの意味合いもあるんです。 浅田 僕の『構造と力』の出版は1983年のことで、もう40年近く前だけど、今回の千葉さんの本が出た影響なのか、最近増刷されたらしく、累計58刷・16万7300部

                          浅田彰×千葉雅也「今なぜ現代思想か」|文藝春秋digital
                        • 内田樹さんの考える日韓関係 マルクスの受容のされ方をめぐって|じんぶん堂

                          記事:晶文社 『街場の日韓論』(晶文社) 書籍情報はこちら 韓国国内では得られない知見 韓国には戦前日本の治安維持法に類する国家保安法という法律が今も存在する。 1948年の大韓民国建国直後に制定されたこの法律は北朝鮮と共産主義を賛美する行為及びその兆候を取り締まりの対象としている。李承晩(イスンマン)大統領が南朝鮮労働党や左翼勢力を一掃するために制定した(朴聖焌[パクドンソプ]先生はこの法律によって投獄されたのである)。いくどか改定された後、1980年に全斗煥(チョンドゥファン)政権が従来の反共法をこれに統合して、ほとんどあらゆる反政府的な動きを弾圧できるようになり、実際に濫用された。 1987年の民主化以後、南北統一機運の高まりにつれて、国内における人権抑圧の法的根拠であった国家保安法の廃棄・改定に対する市民たちからの要求の声が高まったけれども、議会内で保守派が強硬に抵抗しているせいで

                            内田樹さんの考える日韓関係 マルクスの受容のされ方をめぐって|じんぶん堂
                          • 【レビュー】『「社会正義」はいつも正しい』を全部読んだ(前編)|まつきりん|note

                            ヘレン・プラックローズとジェームズ・リンゼイの『「社会正義」はいつも正しい』を読んだ。この本は現代アメリカにおける「社会正義」思想の流行を、フランス思想であるポストモダニズムがアメリカに渡ったことで生じた「応用ポストモダニズム」であると批判し、それに対する処方箋として「リベラリズム」を提示する…という内容である。それだけなら良かったのだが、早川書房が訳者による解説文をいささか炎上商法気味に投稿したこと(およびその解説文の内容)で批判を呼び、かつそれを謝罪したことでまたひと騒動が起きた。 元々、この本のことは邦訳が出る前からネットで見かけて興味を持ってはいたし、著者らの主張とは多少問題意識が重なるところがないでもない(読んだ後だと一緒にされたくないという思いの方が強いが…)ので、ともかく中身を読んでみることにした。 結論から言うと、かなりひどい。巷で噂されているようなヘイト本では辛うじてない

                              【レビュー】『「社会正義」はいつも正しい』を全部読んだ(前編)|まつきりん|note
                            • 「模範的社会人」になるための自己啓発読書会 第三回西野亮廣『革命のファンファーレ』|幸村燕

                              1.導入*⚠注意⚠この記事は『進撃の巨人』と『えんとつ町のプペル』のネタバレを含みます。 【キュ:キュアロランバルト お:織沢実 ハ:ハイザワ ブ:ブロードウェイ・ブギウギ】 キュ:ではお酒を持っている方は乾杯! 一同:乾杯 キュ:軽く最初に感想いってきますか。僕読んで思っていたより面白くて、少なくとも絵本産業というシステムの中でそれをハックするってものは面白かったし、そのための戦術書としては分析も明瞭だった。僕は最初西野のことをプペルめっちゃこすっている人だと思っていて、クリエイティビティもないクソだと思っていたんですよけど、なぜ西野がそこまでプペルにこだわってこすり続けるのかがわかってよかった。あとは、まず前提とされている世界観が凄く加速主義的ですよね。創作以外のものが技術に置き換えられていくというものが加速主義的な世界観。でも、それってどうなのかとは思った。あと、西野は「お金の奴隷解

                                「模範的社会人」になるための自己啓発読書会 第三回西野亮廣『革命のファンファーレ』|幸村燕
                              • ド・マン、デリダと語り合った日々:私の謎 柄谷行人回想録⑪|じんぶん堂

                                記事:じんぶん堂企画室 ポール・ド・マン(左端)と柄谷さん(右)。中央は、作家の冥王まさ子さん。イェール大学近くのカフェの前で。「78年だと思う。同席していたデリダが撮影したんじゃないか」と柄谷さん=パトリシア・ド・マンさん提供 書籍情報はこちら ――ポール・ド・マン(1919~83)との関わりについて、もう少し聞かせてください。ド・マンは、フランスの哲学者ジャック・デリダ(1930~2004)の“脱構築”を文学批評に展開してイェール学派の中心人物としてアメリカの文学界で大きな影響力を持つようになりますが、柄谷さんが渡米した1975年時点の実感としては、どうでしたか。 柄谷 まだイェールでも知る人ぞ知る存在ですよ。アメリカ国内で知られるようになっていくのは、80年前後じゃないですかね。僕は名前も知らなかった。だから、ド・マンに認められてうれしかったというのも、彼が有名だからとか何とかいうよ

                                  ド・マン、デリダと語り合った日々:私の謎 柄谷行人回想録⑪|じんぶん堂
                                • 【批評の座標 第5回】「外」へと向かい自壊する不可能な運動──絓秀実『小説的強度』を読む(韻踏み夫)|人文書院

                                  近年のBLM(ブラック・ライヴズ・マター)からも垣間見えるように、ヒップホップと人種差別への抗議が連動する現代において、その批評や研究から出発し、『日本語ラップ名盤100』(イースト・プレス)を上梓した韻踏み夫。第5回では、現代史の転回点である一九六八年論の代表的な批評家・絓秀実を取り上げ、その主著『小説的強度』から、いま必要な理論的展開を描きだします。 批評の座標 ――批評の地勢図を引き直す 「外」へと向かい自壊する不可能な運動――絓秀実『小説的強度』を読む 韻踏み夫 「しばしば私にはヘーゲルが自明であるかのように思える。だが、この自明は担うには重い」(『有罪者』)。なぜ今日──今日においてもなお──バタイユの最良の読者たちであってさえ、ヘーゲルの自明性をいともたやすく担えるほど軽いものであるかのように考える人々の列に加えられてしまうのだろうか。(……)過小評価され軽々しく扱われたヘーゲ

                                    【批評の座標 第5回】「外」へと向かい自壊する不可能な運動──絓秀実『小説的強度』を読む(韻踏み夫)|人文書院
                                  • 紀伊國屋じんぶん大賞2023 読者と選ぶ人文書ベスト30

                                    ▶歴代 紀伊國屋じんぶん大賞 ▶キノベス!2023 ▶キノベス!キッズ2023 紀伊國屋じんぶん大賞 第1位『布団の中から蜂起せよ ―アナ-カ・フェミニズムのための断章』高島鈴 高島鈴 さん 特別寄稿 このたびは大変大きな賞をいただき、ありがとうございます。『布団の中から蜂起せよ』を支えてくださった布団の中のみなさまに、まずは感謝を申し上げたいと思います。私はこの本を、あらゆる意味で揺らぎのある生を生きる人のために、今生きているのがしんどいと感じている全ての人のために書きました。そのような人たち─もしかするとあなた─に向けて、本書は黙って開かれた扉として、誰かが飛び込んでくるのを待っています。 副題にあるアナーカ・フェミニズムとは、アナキズムとフェミニズムが合体した言葉で、国家をはじめとするあらゆる権力を否定し、またあらゆる差別を否定する思想を指します。アナーカ・フェミニズムの革命は流動的

                                    • 「失政を修正していく責任が自分たちにある」井上達夫教授 退職記念インタビュー【前編】 - 東大新聞オンライン

                                      東大で30年近く法哲学研究に携わり、正義論から憲法改正論まで幅広く独自の議論を展開してきた井上達夫教授のロングインタビューを2回に分けてお届けする。前編では、今年度で東大を退職される井上教授に、自身の研究理念や哲学観、学生へのメッセージなどについて聞いた。 (取材・円光門、撮影・山口岳大) 後編はこちら 井上 達夫(いのうえ・たつお)教授(法学政治学研究科) 77年法学部卒業。東大助手、千葉大学助教授などを経て91年に東京大学助教授に転任、95年より現職。近著に『立憲主義という企て』(東京大学出版会)、『生ける世界の法と哲学――ある反時代的精神の履歴書』(信山社)など。 ――2020年に出版された『生ける世界の法と哲学――ある反時代的精神の履歴書』では小学生時代に自身が体験した貧困や家庭崩壊についての記述があります。この体験は先生の法哲学研究にどのような影響を与えましたか 私が東大に入学し

                                        「失政を修正していく責任が自分たちにある」井上達夫教授 退職記念インタビュー【前編】 - 東大新聞オンライン
                                      • 【特別掲載】百年の危機|ユク・ホイ  訳=伊勢康平

                                        コロナウイルスの流行をめぐって、各国の哲学者たちが声明や文章を発表しています。『ゲンロン』で「芸術と宇宙技芸」を連載し、昨夏にゲンロンカフェにも登壇したユク・ホイは、ヨーロッパでの感染と感染対策が広まる4月に"One Hundred Years of Crisis"と題する論考を発表しました。1919年にポール・ヴァレリーが発表した「精神の危機」から100年後に起きた今回のコロナ危機は、世界史にとってどのような意味を持つのでしょうか。そして西洋的な科学一元論に陥らず、単なるオルタナティブとして東洋を見出すのでもない方法で、このグローバルな危機を乗り越えるためには、どのような思想が必要なのでしょうか。つねに東洋と西洋のあいだで思考してきたユク・ホイによるこの論考を、ゲンロンαで急遽、全文訳出することにしました。東浩紀による「コロナ・イデオロギーのなかのゲンロン」ともあわせてお読みください。ま

                                        • 【批評の座標 第6回】東浩紀の批評的アクティヴィズムについて(森脇透青)|人文書院

                                          批評のみならず書籍出版や人文系のイベントスペースの運営等を通じて、ゼロ年代以降の批評界を牽引し続けている東浩紀。東が「再発明」した「ポスト・モダン」「誤配」等の概念を文脈に即して読解し直し、その活動全体から東の批評的視座を見いだします。執筆者は気鋭のデリダ研究者であり、批評誌『近代体操』を主宰・運営する森脇透青です。 批評の座標 ――批評の地勢図を引き直す 東浩紀の批評的アクティヴィズムについて森脇透青 1. 終わってくれないポスト・モダン 東浩紀(1971-)は批評家にして活動家である。このテーゼは揶揄でもアイロニーでもない。私たちは本稿を通じて、東の「批評活動」の系譜を記し、このテーゼを証明することになるだろう。 東浩紀は一般に「ポスト・モダン」の擁護者として理解されている。それも相対主義者の左翼嫌い、運動嫌いとして理解されている。しかし、東の活動について記述するうえでまず次の点を確認

                                            【批評の座標 第6回】東浩紀の批評的アクティヴィズムについて(森脇透青)|人文書院
                                          • 言語の束縛と自由――デリダ『有限責任会社』を読んだ感想を兼ねて|山口尚

                                            『有限責任会社』(高橋他訳、法政大学出版局)を読んだ感想をノートに書き留めておきます。この本はデリダ‐サール論争におけるデリダ側の論考を収めたものです。 この翻訳書の「起源」を特定することはいささか困難で、底本はフランスの出版社GaliléeからのLimited Inc.ですが、そもそもこの本自体が英語交じりの破格なものであり、単純に「フランス語の書物を日本語に訳した」と言うことができません。加えてデリダ‐サール論争はもっぱら英語で繰り広げられており、さらにLimited Inc.は英語版(Northwestern University Press)の方がフランス語版よりも先に出版されています(前者は1988年、後者は1990年出版)。というわけで訳者たちは、英語版を参考にしつつ、フランス語版を日本語へ翻訳するという作業に取り組むわけです。ここでデリダが翻訳に関して独特な見解をもっていたこ

                                              言語の束縛と自由――デリダ『有限責任会社』を読んだ感想を兼ねて|山口尚
                                            • 外岡秀俊の「コロナ 21世紀の問い」(17)哲学者・高橋哲哉さんと考える 歴史認識と「犠牲のシステム」

                                              コロナ禍のもとで生まれた「BLM(ブラック・ライブズ・マター)」運動は、各地で奴隷制や人種差別にかかわった人物の銅像引き倒しや、破壊にまで突き進み、その動きは欧州にも波及した。いま。なぜ社会に組み込まれた「構造的差別」が問題にされているのか。哲学者の高橋哲哉さんと共に考える。 BLM運動の背後にある「構造的差別」 すでにノーマ・フィールドさんの回でお伝えしたように、ジョージ・フロイドさん殺害事件をきっかけに全米で広がったBLM運動は、南北戦争で奴隷制維持の側に立った南部連合の指導者の銅像引き倒しや、南軍の旗をあしらった州旗のデザイン変更、先住民を指す「ワシントン・レッドスキンズ」のチーム名変更などの動きにまで広がった。 それだけではない。米紙ニューヨーク・タイムズは2020年6月16日付(電子版、同25日改稿)の「歴史の再考」という記事で、「バージニアからニューメキシコまで、警察の暴力への

                                                外岡秀俊の「コロナ 21世紀の問い」(17)哲学者・高橋哲哉さんと考える 歴史認識と「犠牲のシステム」
                                              • 【読書感想】現代思想入門 ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

                                                現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉 雅也講談社Amazon Kindle版もあります。 現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉雅也講談社Amazon 人生を変える哲学が、ここにある――。 現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。 * * デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー…… 複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ □物事を二項対立で捉えない □人生のリアリティはグレーゾーンに宿る □秩序の強化を警戒し、逸脱する人間の多様性を泳がせておく □権力は「下」からやってくる □搾取されている自分の力を、より自律的に用いる方法を考える □自分の成り立ちを偶然性へと開き、状況を必然的なものと捉えない □人間は過剰なエネルギーの解放と有限化の二重のドラマを生きている □無限の反省から抜け出し、個別の問題

                                                  【読書感想】現代思想入門 ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言
                                                • テン年代アイドル論、あるいは・・・・・・・・・とはなんだったのか?|scarlet222

                                                  東京は、あらゆる計画をいつも裏切ったまちだ。(磯崎新『空間へ』) ヨーロッパに幽霊が出る――共産主義という幽霊である。(マルクス・エンゲルス『共産党宣言』) はじめに なぜいま「アイドル論」なのか? テン年代の前半くらいに、アイドル論やアイドル批評といったものが盛り上がりを見せたことがあった。いくつか具体例を列挙してみる。2011年、太田省一『アイドル進化論』。2012年、濱野智史『前田敦子はキリストを超えた』、小林よしのり・中森明夫・宇野常寛・濱野智史『AKB48白熱論争』。2013年、さやわか『AKB商法とは何だったのか』、安西信一『ももクロの美学』。2015年、香月孝史『「アイドル」の読み方』など。 こうしたアイドル論の盛り上がりが生じたそもそものきっかけは、やはりゼロ年代の後半に、AKB48が目覚ましい活躍を見せていたことだっただろう。「RIVER」でオリコンウィークリーチャートの

                                                    テン年代アイドル論、あるいは・・・・・・・・・とはなんだったのか?|scarlet222
                                                  • 割り切れないグレーゾーンにこそ人生のリアリティがある(千葉 雅也)

                                                    「能動性と受動性が互いを押し合いへし合いしながら、絡み合いながら展開されるグレーゾーンがあって、そこにこそ人生のリアリティがある」 現代思想の旗手・千葉雅也氏が満を持して放つ「入門書」の決定版、ついに刊行! 本日はその『現代思想入門』のなかから「はじめに 今なぜ現代思想を学ぶのか」の後半部を特別に公開します!(前半部はこちら) ポスト構造主義とポストモダン 前回説明なしに使った「ポスト構造主義」という言い方ですが、これはデリダやドゥルーズらをひと括りにして言うときに使われるものです。「ポスト」とは「後」という意味で、「構造主義の後に続く思想」ということになります。ただ、本人たちがそう自称したわけではなく、この呼称に対しては批判もあります。ここではとりあえず、デリダらを括るためのフォルダとして、中立的に使うことにさせてください。 ポスト構造主義については、「ポストモダニズム」、「ポストモダン

                                                      割り切れないグレーゾーンにこそ人生のリアリティがある(千葉 雅也)
                                                    • Be Free Issue : Dos Monos "僕らにとってのインディペンデントって、三人の独立した考えが何故か共生しているというところ"neol.jp | neol.jp

                                                      Be Free Issue : Dos Monos “僕らにとってのインディペンデントって、三人の独立した考えが何故か共生しているというところ” 荘子it、TAITAN MAN、没の3MCによって構成される3人組ヒップホップユニット:Dos Monos。フィジカル盤やアルバムの制作前よりUSのレーベル「Deathbomb Arc」とディールを結び、大きな注目を集めていた彼らが、ついにフル・アルバムとなる「Dos City」でその全貌を明らかにした。 ……「全貌を明らかにした」という常套句を使ってはっとしたのだが、よく考えたら彼らはこのアルバム「Dos City」で、全貌を全く明らかにしてはいない。むしろ、その謎は深まるばかりだ。フロウや構成のアプローチだけではなく、その展開性や思想性も全く違う3MCのラップ、意識と社会、現実と空想、虚実が綯い交ぜになった混沌とした世界観、ポップさを持ちなが

                                                        Be Free Issue : Dos Monos "僕らにとってのインディペンデントって、三人の独立した考えが何故か共生しているというところ"neol.jp | neol.jp
                                                      • 感傷マゾとは到達不可能な愛に満ち溢れた青春の幻想に耽溺してナルシシズムに浸るルサンチマン - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

                                                        最近また、新しいルサンチマンを見つけたぞ。 id:amaikahlua さんがブコメで教えてくれた。 「理解のある彼くん」がムカつく理由はメシウマ的快感を味わっていたのに終盤で裏切られるから - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸 逆寅次郎さんの語り口は増田との親和性が高いから、並のブロガーよりもバズるポテンシャルに恵まれてると思う。そういう点で、逆寅次郎さんの生は祝福されてるとも思いますねw。あと、「感傷マゾ」でググろうズ 2022/10/21 20:16 b.hatena.ne.jp感傷マゾ?なんだそれ?と思って、ググって調べてみたんだ。 note.com 「存在しなかった青春の祈り」「感傷と自己嫌悪をゾンビのように求め続ける性癖」らしい。 ふーん、と思ったけど、なんか嘘臭い。 ルサンチマンの臭気がプンプンしてきて、思わずつぶやいた。 「インテリがアイドルを研究し、アイドルが文学者になる時代

                                                          感傷マゾとは到達不可能な愛に満ち溢れた青春の幻想に耽溺してナルシシズムに浸るルサンチマン - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸
                                                        • レーニン、収容所、ポストモダニズム──ロシア現代思想概観|オレグ・アロンソン+エレーナ・ペトロフスカヤ 聞き手=東浩紀 訳=上田洋子

                                                          レーニン、収容所、ポストモダニズム──ロシア現代思想概観|オレグ・アロンソン+エレーナ・ペトロフスカヤ 聞き手=東浩紀 訳=上田洋子 2017年12月、モスクワを訪れた。同地のロシア国立現代美術センターで開催されたシンポジウム「時代と意味──トラウマ、記憶、忘却、知識 Время и смыслы. Травма, память, забвение, знание」に参加するためである。このシンポジウムは、2015年から18年にかけて、同地で複数の美術館を会場に続けられている「人間の条件」プロジェクトの一部をなすもので、今回も同時に美術展「幽霊屋敷 Дом с привидениями」が開催されていた。幽霊や慰霊のテーマは、本誌と重なりあうものがある。 モスクワ訪問は美術評論家のエレーナ・ペトロフスカヤの招きで実現した。本誌は『ゲンロン5』で共同討議「ユートピアと弁証法」を訳出している。

                                                            レーニン、収容所、ポストモダニズム──ロシア現代思想概観|オレグ・アロンソン+エレーナ・ペトロフスカヤ 聞き手=東浩紀 訳=上田洋子
                                                          • 東浩紀氏の郵便的脱構築の未達やミヤネ屋(2022年7月19日放送)に出ていた野村修也氏から「他者の欲望の影響」を垣間見た - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸

                                                            朝6時。かつてサラリーマンをしていた時、この時間に起きて、会社に行くための身支度をする。 人間の理想的な睡眠時間は7時間らしいが、前日の11時に眠気が来るとは限らないので、4~5時間しか睡眠を確保できない日もあった。 まだ疲労が残る寝ぼけ眼をこすりながら、顔を洗い、スーツに着替え、7時前までにバス停に向かう。 調子がいい時は、何の疑問もなくバス停に向かうことができた。 しかし何日かに一度は「会社行きたくないな」という働きたくない念慮に襲われ、そして1ヶ月に一度ぐらいだろうか。 (引用元:闇金ウシジマくん(11)[ 真鍋昌平 ]) 「ギギギ・・・会社……行きたくねェーなァ…」 このように実際、玄関で少し足が止まる瞬間がある。 まるで「これは俺の意志なのか?」と、意識的に問うてるわけではないんだけど、無意識的な働きたくない欲望が、自分の足を止めた。 その間隔が、どんどん短くなってきて、自分は会

                                                              東浩紀氏の郵便的脱構築の未達やミヤネ屋(2022年7月19日放送)に出ていた野村修也氏から「他者の欲望の影響」を垣間見た - 逆寅次郎のルサンチマンの呼吸
                                                            • [全訳]デリダ「人間科学の言説における構造、記号、遊び」 ディスカッション - cartaphilium

                                                              凡例 一、原文でイタリックで強調されている語には傍点を付した。 一、原語を示す場合には、()で括った。 一、原文に[]で補足されている内容については〔〕で訳出した。ただし、補足内容がたんにフランス語訳である場合には、そのまま()で括った。 一、訳注は末尾にまとめているが、一部本文中に〔※訳注:〕の形で挿入した。 ジャン・イポリット:称賛すべきプレゼンテーションと議論を披露してくださったデリダに、率直に、プレゼンテーションの技術的な出発点がまさに何であったのかの説明をお聞きしたく思います。それは、構造の中心の概念への問い、すなわち中心とは何を意味するのかという問いです。たとえば、ある代数的な構造物〔の全体〕の構造を取り上げたとき、その中心はどこにあるのでしょうか? 中心というのは、私たちが諸要素の相互作用を理解することを曲がりなりにも可能にするような、一般的な諸規則についての知識なのでしょう

                                                                [全訳]デリダ「人間科学の言説における構造、記号、遊び」 ディスカッション - cartaphilium
                                                              • 「本音を引き出せる人」と「全然答えてもらえない人」は何が違うのか? - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

                                                                みなさんは、対話や議論の場で、相手からうまく意見を引き出せているでしょうか? 視野を広げ、発想を豊かにするのに有効なもののひとつが哲学です。議論がぐっと活発になる、哲学質問術をご紹介しましょう。 たいていの質問は「誘導尋問」 たとえば、同僚に「職場についてどう思っているのか」を聞くとしましょう。しかし、このままでは、ぼんやりしていて答えづらい質問ですよね。そこで、「いまの職場は快適だと思いますか?」と質問を変えてみます。 でも、この聞き方では、相手は「はい」か「いいえ」の二択でしか答えられません。あるいは、さらに具体的に「職場をもっと快適にするにはどうしたらいいと思いますか?」と聞くとして、相手が現状に不満をもっていなかった場合、本当に相手の意見を聞けていることになるでしょうか。 たいていの質問は、無意識のうちに「こう答えてほしい」という願望の入った誘導尋問になりがちなのです。では、どうす

                                                                  「本音を引き出せる人」と「全然答えてもらえない人」は何が違うのか? - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習
                                                                • ポール・ド・マン没後40年、または脱構築ルネッサンス:講談社学術文庫『読むことのアレゴリー』に寄せて(巽 孝之)

                                                                  イエール学派の領袖として影響を与え続けてきたポール・ド・マン(1919-83年)。本年(2023年)没後40年を迎えるにあたり、ド・マンを読み直す機運が高まりつつある。昨年12月には、主著『読むことのアレゴリー』が講談社学術文庫に収録された。 このメモリアルイヤーの始まりにあたって、ド・マンをはじめとするアメリカの思想界・文学界の事情に通暁し、著書『盗まれた廃墟――ポール・ド・マンのアメリカ』(彩流社)もある巽孝之氏の書き下ろしエッセイをお届けする。 『読むことのアレゴリー』の記憶 1984年の夏、北米はコーネル大学大学院へ留学した私は、ジョナサン・カラーを指導教授に、19世紀アメリカン・ルネッサンスの作家たちをポスト構造主義の理論で読み直す博士号請求論文を仕上げようとしていた。前年1983年にはイエール・マフィアの領袖と渾名されたド・マンが亡くなっていたから、批評誌『ダイアクリティックス

                                                                    ポール・ド・マン没後40年、または脱構築ルネッサンス:講談社学術文庫『読むことのアレゴリー』に寄せて(巽 孝之)
                                                                  • 橋本努「リチャード・ローティを脱構築する」

                                                                    HOME リチャード・ローティを脱構築する 『理戦』no.74, 2003 Autumn, pp.66-87. 橋本努 0.はじめに 「それを言っちゃぁ、おしまいよ」――世の中には、聞いてしまったら身も蓋もない答えが返ってくるような問いがある。哲学者リチャード・ローティが執拗にたずねまわるのは、そんな問いだ。とりわけ彼は、自身が身を置くアカデミックな正統哲学を無用であると告発し、哲学にルサンチマンを抱く人たちの生を肯定する。その魅力は、共倒れを覚悟で相手に最大のパンチをかますという、アイロニーの手法にあるだろう。相手を倒すが、自分もいずれ倒れる覚悟を決めておく。哲学に対する彼のアプローチは、そうした捨て身戦法にかける「意気込み」にある。 だが一方で、ローティの痛快さを嫌う人も多い。批判者たちによれば、「ローティのいうアイロニストの語彙では、民主主義を支持する理由を次の世代へ伝えていくことは

                                                                    • 雑記(幻覚剤ルネサンス以後のフーリエ主義者の方針について) - おしゃべり!おしゃべり!

                                                                      このアカウントを作ってから得難い出会いが多々あり、善き触発と欲望の変形を被ってきました。その過程を再構成するべく、今回は緊密に書いてしまうクセをなるべく排し、意識して冗長に日記をつけてみます。千葉雅也ほか『ライティングの哲学』を読んでそう決心するも、成功したかは微妙です。 §1 同人誌について §2 フーリエ主義者同盟について §3 怖るべき囚人の陶酔論 §4 社会の精神病院化 §5 性政治の不可能性 §6 バタイユからクロソウスキーへ §7 生残者の倫理 §1 同人誌について 宮﨑悠暢氏(★)の主催による同人誌『PROJEKT METAPHYSICA Vol.1』に、論考「模像の消尽のためのエスキス」を寄稿しました。 きっかけは宮﨑氏にドゥンス・スコトゥスの動画を見つけていただいたことに遡ります。宮﨑氏は当時、VTuberを主題にした評論同人を企画されており、そこに寄稿依頼をもらって、2

                                                                        雑記(幻覚剤ルネサンス以後のフーリエ主義者の方針について) - おしゃべり!おしゃべり!
                                                                      • 感想OUTPUT:ビジネスエリートのための! リベラルアーツ 哲学 (21st Century Liberal Arts) を読んだ感想 - Be financial freedom. 経済的自由の探求

                                                                        こんにちは、株もっちーです。 金曜日は、本などのINPUTした情報に対するOUTPUTをしていきたいと思います。 要するに読書感想文的な活動ですね。 読んだ本:ビジネスエリートのための! リベラルアーツ 哲学 (21st Century Liberal Arts), 小川 仁志 (著) 気づいたこと 30人の哲学者 21世紀の問題 AI インターネット 監視社会 バイオテクノロジー 環境問題 資本主義 グローバリゼーションとナショナリズム 宗教対立 テロ ポピュリズム 行動したこと まとめ ランキング・宣伝など 読んだ本:ビジネスエリートのための! リベラルアーツ 哲学 (21st Century Liberal Arts), 小川 仁志 (著) ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 哲学 【21st Century Liberal Arts】 作者:小川 仁志すばる舎Amazon 気

                                                                          感想OUTPUT:ビジネスエリートのための! リベラルアーツ 哲学 (21st Century Liberal Arts) を読んだ感想 - Be financial freedom. 経済的自由の探求
                                                                        • ジャック・デリダ「声と現象」 発明された概念「差異+遅延」に重要性|好書好日

                                                                          大澤真幸が読む フランスの哲学者デリダは、二〇世紀最後の四半世紀、思想界のスーパースターだった。「脱構築」「エクリチュール(文字)」「散種」等の新概念を繰り出しながら、西洋形而上学(けいじじょうがく)の「ロゴス中心主義」を批判する彼のテクストに、世界中の若き知識人が魅了された。 『声と現象』は、デリダの初期の著作で、現象学なる哲学を創始したフッサールの論文を読み込んだもの。デリダの本の中で最も、伝統的な哲学論文に近いスタイルで書かれている。 デリダが発明した概念の中で最も重要だと私が考えるのは、この本にも出てくる「差延(さえん)différance」である。「異なる」を意味する仏語différerが「遅らせる」をも意味することに着眼してデリダが造った語だ。つまり「差異+遅延」。差異を意味する普通の語と発音は同じ。文字(エクリチュール)だけで区別がつく。 哲学には、同一性と差異のどちらが先か

                                                                            ジャック・デリダ「声と現象」 発明された概念「差異+遅延」に重要性|好書好日
                                                                          • 電波ソングの終わり MOSAIC.WAVとかあべにゅうぷろじぇくととか - まつたけ大王のブログ

                                                                            「電波ソング」という言葉をきいて、一定数のひとは「もってけ!セーラーふく」という曲を思い浮かべるのではないだろうか。 曖昧3センチ そりゃぷにってコトかい? ちょっ!らっぴんぐが制服…だぁぁ不利ってこたない ぷ。がんばっちゃ■やっちゃっちゃそんときゃーっち&Release ぎョッ汗々の谷間に Darlin' darlin' FREEZE!!なんかダるー なんかデるーあいしテるー あれ一個が違ってるんるーなやみン坊ー 高鉄棒ーおいしん簿ー いーかげんにシナサイ飛んでったアイツの火照るカラダって所謂ふつーのおにゃのコ驚いたあたしだけ? 豚骨ハリガネおかわりだだだBON-BON おーえん団Let's get! チェリーパイRAN-RAN かんげー会Look up! せんせーしょんはい! 存在感・・小惑星ぶつかって溶けましたぼーぜん大いに歌ってシレンジャーもっていけ!最後に笑っちゃうのはあたしのは

                                                                              電波ソングの終わり MOSAIC.WAVとかあべにゅうぷろじぇくととか - まつたけ大王のブログ
                                                                            • 清水高志, 師茂樹「仏教哲学の真源を再構築する ― ナーガールジュナと道元が観たもの」 | ÉKRITS / エクリ

                                                                              仏教哲学の真源を再構築する ― ナーガールジュナと道元が観たもの More-Than-Human Vol.3 清水高志 インタビュー(聞き手:師茂樹) 師茂樹: 最初に、清水さんがしばしば東洋の古典、特に仏教などを使いながらご自身の哲学を展開されているのには、どういった背景があるのかということから、お話を聞かせいただければと思います。 清水高志: そうですね。子どもの頃からインドの古典に親しんでいたというのもあるんですが、そもそも欧米の現代思想じたいが、だんだん今世紀になって東洋的ロジックを再びなぞり始めているところがあるように僕は感じているんです。主客二元論とか、二元論的思考を超克するというようなことは、これまで20世紀までの思想でも主張されてきたし、もちろんドイツ観念論にもそうした考え方はあるわけですけど、主体と対象のように相反する二極があると、その両者の拮抗した境界を曖昧にし、間を取

                                                                                清水高志, 師茂樹「仏教哲学の真源を再構築する ― ナーガールジュナと道元が観たもの」 | ÉKRITS / エクリ
                                                                              • 批評の練習帳 現代の東アジアにおいて「思想」は可能か

                                                                                私は数年前から通称「スガゼミ」と呼ばれる絓秀実氏を中心とした読書会に参加している。「スガゼミ」は、もともと絓氏が近畿大学四谷キャンパスで教えていた頃から続いている読書会だが、昔のことは知らない。参加者の顔ぶれは基本「来る者は拒まず去る者は追わず」ということで、その時代によって種々様々、いかにも絓さんらしい「雑」な雰囲気の読書会で(ちゃんと挨拶もしないので、未だに参加者の名前を全部覚えていない)、月に一度課題図書(文芸批評の時もあるが、多くは哲学や法学・歴史学・社会学などの専門書)を決めて報告者を一人決めて発表してもらい、それについて言いたいことがある人が勝手なことを言い(大体批判)、特に結論も出ないまま終わって、その後に残りたい人だけの緩い食事会飲み会となるのが常だった。しかしコロナでしばらくはオンラインということになり、その最初の回として、去年の十月に私が報告者となり許紀霖の新刊『普遍的

                                                                                • 赤い薬と青い薬 - Wikipedia

                                                                                  赤と青の薬(薬)は、1999年の映画『マトリックス 』に使われた印象的なモチーフである。 赤い薬と青い薬(あかいくすりとあおいくすり、英: Red pill and blue pill)とは、安定した生活を失ったり人生が根底から覆るとしても真実を知りたいのか、満ち足りた、しかしなにも知らない状態であり続けたいかの二択を指して言う言葉である。1999年の映画『マトリックス』に由来していて、前者が赤い薬、後者が青い薬を飲むことに比せられている。レッドピル、ブルーピルともいう。 背景[編集] 映画『マトリックス』の序盤で、主人公であるネオは、反体制派のリーダーであるモーフィアスから、赤い薬と青い薬のどちらを飲むかを迫られる。モーフィアスはこう説明する。「青い薬を飲めば… 物語はそこで終わりだ。自分のベッドの上で目覚めて、そこからは自分が信じたいものを信じればいい。赤い薬を飲めば… 不思議の国にと

                                                                                    赤い薬と青い薬 - Wikipedia