静岡県島田市は来秋をメドに、大井川鉄道のSL(蒸気機関車)の向きを回転させるための「転車台」を、新金谷駅近くに整備する方針を固めた。 1976年のSL復活以来、金谷行きの列車の運行で強いられてきた、機関車の「お尻」を前に向けた状態が解消される。市は、設計費用などを盛り込んだ関連議案を、11月定例会に提出する。 大井川鉄道は、JR東海道線と接続する金谷駅(同市)を始発に、終着の千頭駅(川根本町)まで約40キロでSL列車を運行し、利用客は年約28万人と県内有数の集客力を誇る。ただ、転車台は千頭駅にしかなく、千頭駅で方向転換すると同じ列車が次に金谷駅側を出発する際、機関車のお尻が先頭に来てしまう。 このため千頭発の列車は、機関車の向きはそのままで側線を利用して先頭位置に移動させており、SLのお尻が前方を向いた不格好な運転を強いられてきた。結果的に、千頭駅の転車台も通常運行では出番がなく、イベント