「社会科学の科学性について」というエントリーにコメントをもらった佐佐木晃彦さんの「② <本質=関係>把握としての弁証法」というページを訪ねてみた。三浦つとむさんから学んだというその内容はたいへん興味深かった。 ここで語られている内容そのものもたいへん興味深いのだが、その前段階として「本質」という概念についてもう少し考えたいような気分になった。それは、「本質」を「関係」として捉えるという思考の展開が、必ずしも自明に自然なものには見えなかったからだ。もう少し説明が必要なのではないかと感じた。何故に「関係」という点に「本質」を見るのか。その必然性がどこにあるかというのを考える必要を感じた。この前段階をよく考えた後に本論のほうへ入っていきたいと思う。 「本質」という言葉は「現象」という言葉と対比させて考えられるのではないだろうか。現象というのは、辞書によれば「人間が知覚することのできるすべての物事