話題騒然の「アベノミクス」における経済政策3本柱のうち、「民間投資を喚起する成長戦略」の中に、「クール・ジャパン」という政策がある。 経済産業省が「クール・ジャパン室」という部局(経済産業省製造産業局クール・ジャパン室)をつくり、文化産業を日本の戦略産業分野として海外に発信、人材を育成してゆく、という発表をしたのは、今回の安倍政権より前、民主党政権下の2010年のことだった。 クール・ジャパンに日本食も登場
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青空文庫はしょぼい、という話を書いた。その後、これって不当な言いぐさかな、と思ったり、いや不当じゃないぞ、と思ったり、いろいろ考えてみた。でもって、いま時点での考え。やっぱりしょぼいというのは正当だと思う。そのしょぼさの原因は、あそこに書いた、単純に時代的に古いものばっかという以外に、少なくとも 2 つあって、一つは、青空文庫自身がまだ充分に考えていないところがあるという点で、そしてもう一つは、いまの日本の文化状況(わおぅ、大きく出やがったな)という点だ。 1. なにができるのか。 註記: この部分は、青空文庫が使用条件を整理してくれたおかげであてはまらない部分が多くなっていて、いまでは歴史的な意義のほうが強いことには留意してほしい。 青空文庫が、新潮社とちょっとトラブった一件がある。新潮社が、夏目漱石のテキストデータを提供してくれて、それを青空文庫で公開したんだって。そうしたら別の出版社
日本は狭い国だから一極集中させれば良い的な話をする人がいたりします。最近は地震に対する恐怖が広まってきましたので、ちょっと風向きは変わってきているような気もしますが、それでも日本は狭いという認識の方は、割と広く共有されているのではないでしょうか。 しかし、歴史をつついていると、ちょっと違う認識に行き当たります。歴史の本では、日本は長いから、必然的に東西に分かれてそれぞれ中心地を持って対立することになる的な話が出てきたりするんですね。 で、日本というのはどれほど長いのか、検討してみたいと思います。とはいえ人の少ない辺土や離島を見て国の大きさを測っても、その国の真のスケールは分かりますまい。たとえば、面積だけ見れば三国志の呉や蜀は魏と十分伍していける大国に見えますが、人の実際に活動してる地点の広がりを考えると、あってもなくても変わらないどーでも良い土地が大半なので、一挙に小国感が漂い出してくる
手塚治虫が描いた「在日」 大体1年も前に書いた記事のことなど自分でも忘れているのだが、それでも時々情報提供があって嬉しくなる。ガガリアンやってて良かったと思うね。 「マンガで在日朝鮮人はどう描かれてきたか」(上・下)で「在日朝鮮人の出てくるマンガ」の情報提供を求めたところ、最近、大阪のAさんという方から「手塚治虫も在日朝鮮人をテーマにしたマンガを描いていた」とのメールを頂いた。伏して感謝する次第である。今回はその作品を解説する。「神様」と呼ばれる手塚が在日問題を扱っているのに、どういうわけか殆ど論じられることがないためである。 「ながい窖」(サンデー毎日1970年11月6日増刊号掲載)。大企業の重役を勤める在日朝鮮人(作中では帰化朝鮮人という設定で、帰化朝鮮人と在日朝鮮人は厳密には違うが、便宜上、在日朝鮮人としておく)の苦悩を描いた作品だ。 私はこんな作品を手塚が描いていたことをまったく知
NHK大河ドラマ「平清盛」が面白い。が、これは現代の物語だなと思わせるのは、白河法皇の血脈と氏族の親子関係みたいな部分だ。血脈は所詮ファンタジーなのでどうもよいが、物語の、親子関係というか親子の愛情の描写を支える心情は実に近代人のそれであり、近世から現代の家族観を反映しているにすぎない。あの時代にそういう心情はなかっただろう。 物語なんだから、それで悪いというわけではない。古代・中世の親族構成というのは、なかなか現代人の感覚からはわからないものだ。昨日、近世日本の家族の与太話を書いたが、これも機会かもしれないので補足しておこう。 村落の皆婚化が進んだのは江戸時代中期であった。なぜかという理由に、とりあえず生産力向上を挙げ、さらにその背景に統治の安定を挙げた。基本的に江戸時代初期は統治が安定に向かう時代だといえるし、その理由も自明のようだが、踏み込むと考えさせらることがある。 昨日のエントリ
マイケル・ボーダッシュ氏による日本ポピュラー音楽の研究書『さよならアメリカ、さよならニッポン』(訳:奥田祐士) 米シカゴ大で日本の近代文学を専攻するマイケル・ボーダッシュ氏による、日本ポピュラー音楽の研究書『さよならアメリカ、さよならニッポン』(訳:奥田祐士)が白夜書房から出版された。萩原健太×湯浅学による解説対談や原注も含めると400ページに及ぶ大書は、執筆期間14年に及んだという。著者へ取材を行い、同書の意義を分析した。 国境を越えて歌謡曲を世界へ 由紀さおりとピンク・マルティーニ 先頃、美空ひばりのアメリカ公演でのライブ録音が62年ぶりに発見されるというニュースが報じられた。カナダ在住の録音機器コレクターが所有していた旧型の針金式録音機の中にその音源が残されていたことを、米シカゴ大准教授のマイケル・ボーダッシュ氏が自著を執筆する調査過程で発見に至ったという。近代日本文学を専攻する
直接私には何の関係もないんですけれども、ネットミーティングをしておりましたら著作権法改正議論や、今回のケンコーコムの薬品ネット販売の関連で、時代の流れとともに売上が他の業態にシフトし、売上の改善が見込めない業界が政府や政党、役所に働きかけて、国内で最低限のイノベーションも起こせないという不思議な事態が続発しております。 tsuda氏、 ダウンロード刑罰化に大激怒!音楽業界を見限ると http://togetter.com/li/287668 ネット販売推進議連、上告断念要請も届かず-緊急会見中に「上告」の連絡 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120509-00000008-cbn-soci 音楽業界に関しては、例によってエイベックスの岸博幸氏の発言が象徴的なんですが: [引用]岸博幸氏「今朝のキーワード『手段を目的とした議論』東電もそうだが著作権の件
【ポスドク問題】 Numbers of young scientists declining in Japan – Nature News “Government policies are hampering the country’s next generation of research leaders, advisory body says.” もう見たまんまです。詳しくはリンク先の本文及びこの後に続く日本語訳をお読み頂きたいのですが、端的に言えば 過去30年間で大学教員全体の人数は50000人から63000人に増えたが、35歳以下の若手教員の人数は10000人から6800人へと大幅に(30%以上)減った 40歳以下の大学教員数が減り続ける一方で、45歳以上の人数は増え続けている。また65歳以上の人数も増え続けている。 同時期に日本のサイエンスの生産性が低下していることを関連付ける
作品制作の一日は、全国から集まった美大生らスタッフとの朝礼で始まる。「あいさつの言葉を唱和させてます。何でこんなことまでとは思いますが、案外シャキッとしますよ」と村上隆さん=いずれも埼玉県三芳町、高波淳撮影 ■3・11で社会変化 芸術家も動くとき もだえ苦しみ作る サブカルチャーと伝統絵画を結びつけた独自の作風で活躍する美術家の村上隆さん。日本の現代美術を代表する作者として海外からの評価も高い。美術界への厳しい批判者としても知られる。昨年3月11日の東日本大震災以降、被災者支援に取り組み、芸術と社会の関わりに一石を投じている。作品に億の値がつく作家は、何を訴えるのか。 ■「クール・ジャパン」なんてうそ ――2月のカタールでの個展に向け、東日本大震災後の日本をテーマに、全長100メートルの「五百羅漢図」を制作中だそうですね。 「日本の歴史をみても、地震や飢饉(ききん)、天災が多発したときには
2012/1/179:40 震災後の日本社会と若者(2) 小熊英二×古市憲寿 古市憲寿著『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)刊行記念イベント ―― 小熊英二・古市憲寿対談 / 2011年11月18日東京堂書店(構成 / 宮崎直子・シノドス編集部) 「震災後の日本社会と若者」(1) ⇒ http://synodos.livedoor.biz/archives/1883807.html ■若者論はなぜ繰り返されるのか 小熊 ところで、若者論というものが今どういう意味を持つかを話しましょう。「若者はだらしない」の類の言辞は太古の昔からあるといわれ、あなたも書いているように、戦前も戦中も戦後も若者論はありました。しかしそれが定着したのは、これもあなたが書いているように、日本では高度経済成長期からです。これは階級要因が退いたからです。 「若者論」も同じだったと思います。1960年代には大学進
2012/1/169:46 震災後の日本社会と若者(1) 小熊英二×古市憲寿 古市憲寿著『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)刊行記念イベント ―― 小熊英二・古市憲寿対談 / 2011年11月18日東京堂書店(構成 / 宮崎直子・シノドス編集部) 「3.11で社会は変わった」という言説に根本的な疑問を投げかけ、震災後の若者たちの反応は「想定内」だった、と喝破した若き社会学者・古市憲寿さん。人は自分がリアルタイムで経験した事件を過大評価しがちである、と指摘する小熊英二さん。この両者が古市さんの新刊『絶望の国の幸福な若者たち』で提示された「震災後」の論点に検討を加え、「本当に震災後に日本社会は変わったのか」改めて語ります。はたして今、研究者は何ができるのか——。(東京堂書店HPより) 絶望の国の幸福な若者たち 著者:古市 憲寿 販売元:講談社 (2011-09-06) 販売元:Amazo
日経の記事から。今年上期の日本のCD+配信の売上高は約1570億円の見込みで、これはアメリカを8%ほど上回る数字。 年間を通して日本がアメリカを抜くとなると、これは史上初。 市場規模の縮小は世界的傾向ながら、 アメリカは単価の安い配信へのシフトが速いため、ついに日米が逆転する形に。 全体に対するCD比率は、アメリカがすでに40%まで下がっているのに対し、 日本は今なお76%と高い。 CD全体が前年比で8%減という環境の中、シングルは逆に10%増加している。 写真は、今年もっとも売れたシングルになりそうな AKB48の「Everyday,カチューシャ」(通常盤Aタイプ)。 発売1週間で133万枚のセールス。第3回総選挙投票券つきでした。
国民食として君臨するラーメン。そのスープの1滴、麺の1本から、戦後の経済史、社会史、メディア史を見通す。速水健朗氏の新著『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)は、ラーメンとナショナリズム、グローバリゼーションとの葛藤を詳密に読み解いた意欲作だ。3年半に及ぶ執筆期間に、いかにして論考を熟成させ、論点をトッピングしていったのか――著者の速水氏に伺った。 ラーメン文化を支えるのは評論家? ヤンキー? ――新著『ラーメンと愛国』は、ラーメンを通して戦後現代史をなぞる、知的興奮に満ちた1冊です。10月18日という刊行タイミングは、ラーメンガイドブックのリリースラッシュともちょうど重なりました。速水氏の読者層以外のラーメンフリークからも反響があったのでは? 速水健朗氏(以下、速水氏)■いやいや(笑)。「ラーメン」と冠した本ではありますが、激ウマなラーメン屋の情報についても書いていませんし、ラーメン史にエ
印刷 上の方に「日本」の文字が見える。「最古の日本」の可能性が高い=「社会科学戦線」7月号、王連竜氏の論文「百済人祢軍墓誌考論」から 中国の古都・西安で見つかった墓誌(故人の事績を刻んで墓に収めた石板)に、「日本」との文字があることを紹介する論文が中国で発表された。墓誌は678年の作と考えられるとしている。日本と名乗るようになったのはいつからなのかは古代史の大きななぞ。大宝律令(701年)からとの見方が有力だったが、墓誌が本物ならさらにさかのぼることになる。 中国の墓誌を研究する明治大の気賀沢保規教授(中国史)によると、論文は吉林大古籍研究所の王連竜氏が学術雑誌「社会科学戦線」7月号に発表した。祢軍(でいぐん)という百済(くだら)人の軍人の墓誌で1辺59センチの正方形。884文字あり、678年2月に死亡し、同年10月に葬られたと記されている。 百済を救うために日本は朝鮮半島に出兵した
女子中学生を名乗るスパムメールが来て釣られてみるかと会いに行ったら本当に女子中学生だった話。あるいは日本の将来やばい。 ありのまま起こったことを話す。女子中学生を名乗るスパムメールが来て釣られてみるかと会いに行ったら本当に女子中学生だった。何を言っているかわからないと思うけれど、自分でも何が起こったのかよく分からない。とりあえず詳しい経過を書いてみる。 最初は1通のメールから始まった一昨日(9/23)の深夜、一通のスパムメールが来た。簡単に「友達になりませんか?」と。普通ならそこで削除して終わりなのだけれど、他のスパムメールと決定的に違うことがあった。送信者のアドレスが@docomo.ne.jpだったのである。 ほぼ釣りか巧妙なスパムだと思ってスルーしていたけれど、ふと「どちらさまですか」と返信してみるとすぐに「XXX(以下、仮にハルカとする)っていいます。中3です!!」と返事が来た。 9
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