新年を目前に控えた2020年12月の末、私は新宿から小田急線に乗り込んだ。年末のソワソワ感が漂う電車に揺られての小トリップ。目的地は「いちょう団地」である。 いちょう団地は、神奈川県の横浜市と大和市にまたがる約3600戸の大規模県営団地。実はここ、居住世帯の約2割が外国籍、それも出身国は20カ国を超えるという多国籍団地で、ニュースなどでもたびたび取り上げられている。 かつて大和市にはインドシナ難民を支援する大和定住促進センターがあった。そのため、大和市をはじめ神奈川中部の市町にはベトナム、ラオス、カンボジアといったインドシナの人たちが多く居住している。前にソウルフードについて話してくれたセンター入所者のカンボジア人のお宅は厚木市に(第42回参照)、在日ラオス人の拠り所である在日ラオス文化センターは愛川町にある(第23回参照)。 いちょう団地に移り住んだ人も多かったようだ。その中から店を営む
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