若者と接する場面では、「なぜそんな行動をとるのか」「なぜそんな受け取り方をするのか」など理解しがたいことが多々起きる。 企業組織を研究する経営学者の舟津昌平氏は、新刊『Z世代化する社会』の中で、それは単に若者が悪いとかおかしいという問題ではなく、もっと違う原因――たとえば入社までを過ごす学校や大学の在り方、就活や会社をはじめビジネスの在り方、そして社会の在り方が影響した結果であると主張する。 Z世代を通して社会構造を読み解く舟津昌平氏 本記事では、前回、前々回に続き著者の舟津昌平氏と歴史評論家の與那覇潤氏が、Z世代を通して見えてくる社会の構造について論じ合う。 ■思考のアウトソーシングに使われる専門家 舟津:専門家の役割の1つとして、與那覇先生は「(専門が)異なる人どうしでも共有できる言葉を作ってゆくのが、正しい意味でのダイバーシティだ」ということをおっしゃっていました。まさにそのとおりだ