近畿地方や四国地方にもあった「千年震災」 2011年3月11日に起きた東日本大震災の津波は、東北地方にとって貞観(じょうがん)11年(869年)の東北地震の津波以来、実に1142年ぶりの大津波でした。津波によって海水が標高20mを超える高さに達し、仙台平野では海岸線から3km以上の所にまで浸水が及びました。このように1000年に1度の巨大な地震とそれに伴う津波を「千年震災」と呼びます。 ところで、東北地方ではなく、近畿地方や四国地方を襲った千年震災というのはあるのでしょうか? 実は江戸時代の前半、宝永4年(1707年)10月4日に、東海地震、南海地震の連動型地震として起きた「宝永地震」が、西日本を襲った千年震災と考えられます。今から20年ほど前、私はこの地震による被害の様子を調査するため、高知県立図書館に通い詰めたことがあります。 私が注目した記録の一つに『高知県神社明細帳』がありました。
![NHK そなえる 防災|コラム|西日本の千年震災・宝永地震(1707)の津波](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/78d50ca09627d64996cf4fec52928f2dba39a34b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nhk.or.jp%2Fsonae%2Fcommon%2Fimages%2Fsns%2Fogp_sonae.png)