新型コロナウイルスのせいで比較的静かな今年のハロウィンだったが(10月31日、東京都渋谷) Issei Kato-REUTERS <社会、とくにメディアは、ハロウィンという「明」だけでなく、その背景に置き去りにされた「暗部」にも光を当てるべきだ。そこにこそ私は希望を感じる> 私のような、青春時代に砂をかむがごとき漆黒の刻を送ったものにとって、また嫌な季節が訪れ、過ぎようとしている。この国でいつの間にか定着したハロウィンである。普段は遵法精神にことさら敏感な世論が、「いたずらか、菓子か」という刑法223条強要罪の街路での横溢になんの刑事的懲罰も求めないで奇妙な寛容精神に陥っているというのも奇観であるが、この際そういった事項はともかく、幸か不幸か今年のハロウィンは、コロナ禍によって大規模な催しが行われる事は無かったようであり、私としてはまさに天佑神助ともいえ安堵している。 ハロウィンは残酷な風