1981年ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属後、エレクトロニクス、流通などの業界を担当。91年副編集長となり金融分野を担当。01年から04年5月末まで編集長を務める。主な著書に「ドキュメント住専崩壊」(共著)ほか。 辻広雅文 プリズム+one 政治・経済だけではなく、社会問題にいたるまで、辻広雅文が独自の視点で鋭く斬る。旬のテーマを徹底解説、注目の連載です。 バックナンバー一覧 貧困の撲滅は、洋の東西を問わず、為政者の保守とリベラルの思想性を超えて、近代国家が果たさねばならない義務である。 貧困撲滅には、後述するように社会保障と税制を組み合わせた多面的な政策展開が必要なのだが、「最低賃金の引き上げ」は重要なそのひとつだと、私は考える。「最低賃金」とは、一ヶ月25日間に一日8時間働いた場合に、“人間として最低限の生活を営むことのできる賃金水準”である。 昭和34年に成立した最低