現在の組み込みシステムは、たくさんのデバイスから構成されています。組み込みシステムに高い付加価値が求められる時流に伴い、ひとつの組み込みシステムには入出力デバイスはもとより、ネットワークデバイス、ストレージデバイス、セキュリティ管理デバイス、ユーザーから直接操作されることのない電源管理デバイスなど、様々な種類のデバイスが統合されています。これらのハードウェアを適切に運用するには、デバイスを製造したベンダーが定めた制御シーケンスに従い、ソフトウェアからデバイスを操作する必要があります。ここで活躍するソフトウェアモジュールが、デバイスドライバです。デバイスドライバは、デバイスベンダーが変わるたびにアプリケーションを再実装せずに済むよう、各デバイスの違いを吸収し、アプリケーションから使いやすいように機能を抽象化するソフトウェアです(図1)。 今回の初心者講座では、組み込みLinuxに同梱されてい