任天堂の復活への道筋が、なかなか見えてこない。同社は2月26日、業績予想を下方修正した。2016年3月期の売上高は、当初予想の5700億円から5000億円に下方修正。円高の影響で200億円の為替差損が発生したこともあり、経常利益は550億円から250億円へ引き下げた。前2015年3月期の売上高5497億円、経常利益705億円から減収減益へ沈むことになる。 主因は、稼ぎ頭の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の苦戦だ。年末商戦の結果を受けて、年間販売台数を期初予想の760万台から660万台へ下方修正。採算性の高いゲームソフトの販売計画も、5600万本から4700万本へ引き下げた。前期は「大乱闘スマッシュブラザーズ」「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」「妖怪ウォッチ」など大型タイトルが相次いだことで6274万本を売り上げたが、一転して今期は25%も販売本数が落ち込むことにな
「例えば、あなたがどんなにその会社の製品が好きだったとしても、CEOが亡くなったところで、普通、悲しむことはないだろう。でも、Iwataの死は全く違う」(Metro) 「彼はテクノロジー業界の中で最も尊敬され、最も影響を与えた経営者だ」(The Huffington Post) 「Iwataは世界の中でも最も思いやりにあふれ、最も思い入れを持ったCEOであり、真に卓越した人格の持ち主だった」(同) 「Satoru Iwataは最も優れたCEO」(The Verge) 「Iwataはエンターテイメントの世界を永遠に変えた」(The Hollywood Reporter) 世界の隅々から寄せられる悲しみの声 今月11日の任天堂・岩田聡社長死去のニュースを受けて、海外メディアやネットは、世界中のジャーナリストやファンからの哀悼の言葉であふれかえっている。驚くのはその多さだけではない。スティーブ・
3月18日の東京株式市場で、前日に資本・業務提携を発表した任天堂(東証1部)とディー・エヌ・エー(DeNA、東証1部)に買いが集まり、それぞれ値幅制限の上限(ストップ高)まで上昇した。 任天堂は前日比3000円高(+21.3%)の1万7080円と年初来高値を更新し、DeNAは300円高(+21.3%)の1707円に。前日に両社で任天堂IP(キャラクターやソフト)を活用したスマートデバイス向けゲームの共同開発や株式の持ち合いを発表しており、投資家の期待が集まったようだ。 終値ベースの時価総額は、任天堂が2兆4197億円、DeNAが2574億円。 DeNAと同業のグリー(東証1部)は取引開始後に下げて一時年初来安値を更新したが、午後になって上昇。終値は36円高(+5.39%)の704円だった。時価総額は1692億円。 ガンホー・オンライン・エンターテイメント(JASDAQスタンダード)は前日比
任天堂株式会社 取締役社長 岩田 聡: 本日は、急にお集まりいただき、ありがとうございます。 任天堂社長の岩田でございます。今日は、隣にいらっしゃるDeNAの守安さんと一緒に、本日両社がそれぞれ発表いたしました、業務提携・資本提携について、ご説明いたします。 岩田: 私が守安さんといちばん最初にお会いしたのは、2010年6月のことです。 最初は、「モバゲーに任天堂IPを供給してもらえないか」というご提案をいただくことから始まったやりとりでした。しかし、守安さんは、任天堂と組む可能性について非常に情熱をお持ちで、その後も継続して話し合いを続けてきました。 大きな環境変化に向き合う今、両社の組み合わせが、グローバルに相乗効果を生み出すチャンスが大いにあることを、あるとき私は確信しました。その後、私と守安さんに続き、両社の複数のキーマン達が話し合いを重ねてきました。 その結果、業務提携して協業し
概要 製品を有料で売ることが難しくなった 任天堂のアミーボは「いいわけ」 ゲームというコンテンツ自体がユーザーの創作を促すプラットフォームになるべき 「コンテンツ」がそれぞれにとって切実な時代に 最近低迷している大手の家庭用ゲーム会社がこの先生きのこる方法について書いていく。その方法は、一言で言ってしまえば、ゲームというコンテンツの世界観を、ユーザーが創作を行うためのプラットフォームにすることだ。以後、長くなるが、詳しく説明していく。 製品を売ることが難しくなった ソーシャルゲームは好調だが、コンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)をメインに作っている会社はあまり景気がよくない。すでに市場規模はコンシューマーよりソシャゲのほうが大きい。その理由は色々あるにしても、一つは、デジタルコンテンツの料金は無料に近づいていき、すべてのコンテンツは無料との競争を強いられるからだ。(参考:クリス・アンダーソ
ドワンゴは11月15日、同社の発行済み株式の1.5%(61万2200株)を同日付で任天堂が取得したと発表した。1株当たり1864円(14日の終値)で取得し、取得価格は約11億4000万円。「両社の強みを持ち寄り、今までにないユニークなインターネット・エンターテインメントサービスの創造に取り組む」としている。 ドワンゴは任天堂の「Wii U」でニコニコ動画が見られるソフト「ニコニコ」を提供しているほか、ニコニコ生放送で任天堂の番組「ニンテンドーダイレクト」の番組を配信。今年4月にドワンゴが開いた「ニコニコ超会議2」には任天堂が特別協賛するなどし、「互いのビジネスの理解と信頼関係を築いてきた」という。 両社は「さらなる関係強化を図り、変化の激しいエンタテイメント業界で、今までにないユニークなインターネット・エンターテインメントサービスの創造に取り組む」としている。 ドワンゴは株主の多様化を進め
大阪で開催中の「B Dash Camp 2013 Fall in Osaka」。10月7日最後のセッションには、任天堂 代表取締役社長の岩田聡氏が登壇。GCAサヴィアン名誉顧問で一橋大学大学院教授の佐山展生氏との対談で、自身の経営哲学を語った。 任天堂は「チャレンジをし続けてきた会社」 1889年に花札の製造を開始、その後ゲームウォッチなどさまざまな玩具を展開し、1983年にファミリーコンピューター(ファミコン)を販売するに至った任天堂。今でこそゲームのプラットフォーマーとして確固たる地位を築いているが、岩田氏は「実は多くの新しいことにチャレンジし続けてきた会社だ」と説明する。 さらに岩田氏は、当時の既存事業にとらわれず新たな挑戦を続け、ファミコンを生み出すことになった任天堂の先代社長であり、9月に亡くなった山内溥(ひろし)氏の座右の銘として、「失意泰然、得意冷然(物事がうまくいかなくても
2013年10月7日と8日に行われているベンチャー企業経営者向けのイベント「B Dash Camp 2013 Fall in Osaka」に、任天堂の岩田聡代表取締役社長が登壇した(写真1)。 岩田社長は冒頭、「任天堂は、皆さんの価値観からすると“古くて堅い会社”かもしれないが、歴史上は次々とチャレンジし続け、たくさんの失敗をし、時々小さな成功をして、その結果、家庭用ゲーム市場に出会って、プラットフォームビジネスとしてに世界市場に広げる幸運を得た会社だ」と、来場者と同じような立場にある会社だと語った。 続いて、先日亡くなった前社長の山内溥氏の座右の銘「失意泰然、得意冷然」を紹介。「うまくいかなくても思い悩まない、絶頂でも浮かれない」というのが、任天堂の歴史そのものを体現している言葉だとした。山内前社長に教わったこととして「自分たちは知らないものを作るのだから、市場調査は無意味」、「とにかく
それは今年6月27日、京都市内の任天堂本社で開催された定時株主総会でのことだった。議事が粛々と進行、最後の質疑応答が中ほどまで来た時、総会の事務方をしていた任天堂社員たちの顔が一瞬凍りついた。議長の岩田聡社長の指名で質問に立った株主が「コスト高になっていたのなら、リストラをすべきではなかったのか」と、語気強く社長に迫ったからだった。同社関係者は、「同社の株主総会で、株主が経営陣にリストラを要求するなんて、これまで聞いたことがない」と驚く。 ある意味で、2期連続の営業赤字に陥った経営に対する、同社役員・社員と株主の間の危機感の温度差を示したシーンだったと受け止める一部株主の間では、「岩田経営」に対する苛立ちも高まっている。 同社が4月24日に発表した2013年3月期連結決算は、営業損益が364億円の赤字(前期は373億円の赤字)で、従来予想より赤字幅が164億円拡大した。家庭用ゲーム機・Wi
1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林 コンテンツ業界キャッチアップ ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。 バックナンバー一覧 ソーシャルゲームに参入すれば 任天堂の収益は本当に改善するのか? 昨年のゲーム業界は、ディー・エヌ・エーやグリーなどが手が
おはようございます。GDC(ゲームディベロッパーズカンファレンス)に再びご招待いただきまして、ありがとうございます。 一年を通じて、レポーター、金融アナリスト、ビジネスパートナーをはじめたくさんの方々にお話をするのが私の最も重要な仕事の一つです。 しかし今日のイベントは特に重要です。というのもここで、今日私は、私の同僚である皆様にお話しできるからです。 この場にいられることを私は嬉しく思います。 本日出席された皆様の中には「何か学べることがあるのではないか」と思われて参加された方もおられると思います。 そうできることを私も望んでいますが、正直申し上げまして、GDCの価値は、すべての開発者たちがお互いから学ぶことができるということです。任天堂にとってもそれは例外ではありません。そして今年、我々には話し合うべき話題が数多く存在しています。 今、開発コミュニティーの皆さんがどんなこと
ソフトについて。今期の3DSのハードの予想400万台に対し、3DSソフトの予想は1,500万本で、割り算すると3DS 1台につき3.75本という計画になる。発売日から約1カ月の勝負になると思うが、この1台あたりのソフトの装着率の妥当性はどうか?少し多い気もするが、この辺りについて説明いただきたい。 宮本さんの趣味について。以前、「庭いじりをされている」と言われた後『ピクミン』、「犬を飼っている」と言われてから『nintendogs』が出た。前回質問した時は「最近猫を飼っている」と言っていて『nintendogs+cats』が出てきた。現在はどんなことに一番ご執心なのか教えてほしい。個人的に気になるのは、先日の糸井重里さんとの対談の中で、「最近は町内会に熱心に参加されている」ということが書かれていたが、それも関係あるのか。 取締役社長 岩田 聡: まず、ソフトについて、今期の予想数の根拠とい
日本を愛する私は、任天堂がかなり好きなんだよね。 クールジャパンとか、日本の文化が世界に好かれてる、なんて言われるけど、 文化がらみで日本の時価総額の上位にいる会社って、任天堂くらいじゃない? 説明書を読まなくても、自然と操作ができる ゲームを続けているうちに、誰もが上達する このあたりに、日本のもてなしの心を感じるわけ。 先週末、そんな任天堂の株価がズッコケた。 9月29日(水)の場中に、ニンテンドー3DSの発売日と価格が発表される → 14:30頃は25,000円だった株価が、終値22,590円まで急落。 → 引け後に業績予測の下方修正を受けて、30日の終値は20,860円 と流れはこんな感じ。 もちろん原因は、5月発表した今期の1株利益1563.94円が、 円高と3DSの発売遅れから、703.78円まで下方修正されたこと。 岩田社長の質疑応答でもあるように、 「(3DSの)発売
携帯電話にできないことをやればいい 不況下においても独り勝ちを続けていく任天堂。次の市場拡大を狙う上で、重要な戦略を担う、DS、DSiを一人一台で展開していくためには、最後はユーザー人口40億人の携帯電話が大きな壁として立ちはだかるだろう。では、どんな戦略で、どんなサービスを提供していくのだろうか。(以下、岩田聡社長、宮本茂専務) (岩田聡社長)携帯電話が脅威という話を、これで何回言われたかなという感じがします。日本でiモードが立ち上がったころに、ゲームボーイは携帯電話に飲み込まれる、とよく言われました。あるいは、Nokiaさんが携帯ゲームビジネスに乗り出した時、やはり同じように「ゲームボーイアドバンスは携帯電話に飲み込まれるだろう」と言われました。その時に、携帯電話が携帯型ゲーム機を飲み込むと言っていた人は、今どう責任を取っているのか聞きたいくらいです。 しかし、今回も同じことの繰
不況に勝つにはウィッシュリストの1番目に入れ 売上高は1兆5363億円、営業利益は5013億円(2009年3月期の第3四半期)となり、第3四半期業績としては過去最高となった任天堂。営利ベースでは、ついに日本を代表するトヨタ自動車をも上回り、まさに日本経済を支えているといっても過言ではない。なぜ不況でもこれだけの業績を残していけるのだろうか。(以下、岩田聡社長、宮本茂専務) (岩田社長)リセッションの時に、ウィッシュリスト(欲しい物のリスト)の1番にあるものと、ウィッシュリストの3番、5番、10番にあるものは影響の受け方が全然違うと思います。任天堂が幸いにして世界の経済環境の変化をあまり受けずに来ているのは、DSやWiiをウィッシュリストの1番として欲しいと言っていただけるお客さまの数が多かったからだと私は思っています。 我々の作っているものが他社の作っているものとほとんど変わらないも
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く