岸田文雄首相は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを現状の「2類相当」から、季節性インフルエンザと同等の「5類」へ引き下げる方針を固めた。今春の移行を視野に、20日の関係閣僚協議で具体的な検討を指示する。「新型インフルエンザ等感染症」の位置付けを変更することで、医療や社会活動に関する制限措置が緩和される。4年目に入った感染防止対策は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化に向け、大きな転換点を迎える。
申請から3カ月、持続化給付金いまだ届かず 自営業男性「蓄え尽きる」 2020/12/30 10:00 (2023/1/16 13:53 更新) [有料会員限定記事]
長崎市南山手町の旧居留地に「ソヴィエト社会主義共和国連邦」名義で登記された土地がある。約1500平方メートル。30棟ほどが並ぶ家屋の一部には今も住民が暮らしているが、多くは空き家。この問題には対立するロシア、ウクライナ両国の関係が内在する。旧ソ連の国外資産を継承したとするロシアは積極的に動こうとはせず、国際問題に発展することを懸念する地元自治体も及び腰だ。 異国情緒あふれる赤レンガ壁や石畳。近くには世界文化遺産「旧グラバー住宅」もある。 長崎港を望むそんな住宅街の一角に仰々しい文言が記された看板が立つ。「この土地はロシア連邦の所有となったものです。許可のない使用、立ち入りを禁じます」。駐日ロシア大使の名前入り。近くの70代男性は「まさかこんな場所で領土問題が起こるなんて思ってもいなかった」と言う。 ことの発端は1875年、帝政ロシアによる土地の取得にさかのぼる。当時の長崎は世界に開かれた国
拡大 硫黄島で見つかった伝単。表面(上)には日本兵に投降を促す文章が印刷され、裏面(下)には観音像が描かれている 「君たちが圧倒的な米軍と優秀な兵器に対して愚かな抵抗をしている時に故郷の人たちは君たちの身の上をどんなに心配しているかわかりません。(中略)戦死の報を受けた時の君たちの年老いた父母やかわいい妻子はどんなに嘆く事でしょう。(中略)関東大震災の際に君たち同胞に温情を差し伸ばした同じ米国人です。米軍の方に来なさい。そしてわれわれと一緒に食物を食べ冷たい水を分けあって飲みましょう。生命は尊いものです。今死んではなりません」 アジア太平洋戦争末期の1945年に日米両軍が戦史に残る激戦を繰り広げ、2万人余りの日本兵のほとんどが戦死した硫黄島(東京都小笠原村)の伝単である。 航空機が戦闘に本格的に導入された第2次世界大戦では、空中から投下されるものは爆弾だけではなかった。敵の戦意喪失とかく乱
新型コロナウイルスの感染拡大に不安が高まる中、インターネットの会員制交流サイト(SNS)ではデマや不正確な情報が広がっている。中国人、患者に対する差別、偏見が含まれる投稿も少なくない。専門家は情報の出どころを確かめ、冷静に対応するよう呼び掛けている。 1月29日夜、ツイッターで「【悲報】福岡終了のお知らせ #拡散希望」と書かれ、クルーズ船の写真が添付された投稿が拡散した。当日、福岡に数千人規模の中国人が来たとも受け止められる内容だった。リツイート(転載)や「いいね」の合計数は1月31日夜までに6万件以上に達し、「ウイルス兵器は入国お断り」「上陸させるな」「今すぐ帰れよ」といった返信が書き込まれた。 福岡市の高島宗一郎市長は30日早朝、自身のアカウントでこの投稿を挙げ、29日は博多港にクルーズ船は寄港しておらず、当面キャンセルの見込みと説明。「災害時同様、必要以上に不安を煽(あお)る情報に注
麻生太郎副総理兼財務相は13日、福岡県直方市で開いた国政報告会で、日本について「2千年の長きにわたって、一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」と述べた。昨年4月に法律として初めてアイヌを「先住民族」と明記した「アイヌ民族支援法」が成立しており、麻生氏の発言は不適切との批判を浴びる可能性がある。 麻生氏は、多国籍選手で構成されたラグビーワールドカップ日本代表の活躍などを例に「(日本は)インターナショナルになっている。それが力を生んでいる」と評価。その上で、国際的な日本の「存在感」に触れる中で「一つの民族」に言及した。 同日、同県飯塚市の国政報告会でも「2千年にわたって同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝を保ち続けている国など世界中に日本しかない」と発言した。 (豊福幸子)
アフガニスタンで凶弾に倒れた福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)の偉業を世界に伝えようと、政府が自伝を英訳し、2020年度中に海外57カ国の大学図書館や公共図書館、研究機関など約千カ所に寄贈する計画を進めている。作品は「天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い」。中村さんの著作の英語版刊行は初めて。 海外での日本理解を促す内閣府の翻訳出版事業「JAPAN LIBRARY(日本文庫)」の1冊として出版する。 同書は、戦乱や干ばつで荒廃したアフガンやパキスタンで、多くの市民とともに人道・復興支援活動を続けた中村さんが、自らの生い立ちや医学を専攻した経緯、現地での医療支援、かんがい工事への情熱などをつづり、13年にNHK出版から刊行された。 事業の事務局を担う出版文化産業振興財団(JPIC)によると、中村さんの自伝は19年1月に同事業での英訳が決定。中村さん
長崎県佐世保市教育委員会が、4日に市内で開かれる原爆写真展の後援を断っていたことが分かった。市教委は、写真展の趣旨や内容に問題はないが、会場で行う署名活動が「政治的中立を保てない恐れがある」と説明している。 写真展は原水爆禁止佐世保協議会が、核兵器禁止条約が成立した2017年から佐世保市中心部の島瀬公園で開催。17年は市と市教委に後援を断られ、18年は後援申請を見送った。 会場で行うヒバクシャ国際署名は、同条約に全ての国が加盟し、核兵器の完全廃絶を求める内容。全国の被爆者の呼び掛けで16年4月に始まり、19年4月24日までに国内外から約941万筆が集まった。長崎県内では、被爆者5団体の代表が呼び掛け人を務める「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる長崎県民の会」が活動を行い、中村法道知事、田上富久・長崎市長らが代表賛同人に名を連ねる。 今年は佐世保市教委へ7月2日に後援申請し、同17日に却下され
北九州市が建設準備中の「平和資料館(仮称)」を巡り、新日鉄住金(現日本製鉄)八幡製鉄所が展示計画について「戦争に関する内容が多い」との懸念を市側に伝えていたことが分かった。資料館は終戦直前の八幡大空襲を映像やコンピューターグラフィックス(CG)で追体験できる展示などを予定。空襲の標的が同製鉄所や市街地だったとされ、結果的に県内最大規模の空襲被害となったことを踏まえ、識者は「歴史的な経緯に会社が敏感になっているのではないか」とみている。 資料館は、戦争の悲惨さなどを考える機会を提供する目的で、市役所近くに約8億円を投じて建設予定。開館は2021年度の見込みで、18年11月の市議会では基本的な展示内容案などが示された。 直前の同年10月31日、市は主要な関係先として新日鉄住金に同案を説明。西日本新聞の情報公開請求で市から開示された「対応メモ」で、同社は「当初聞いていた内容に比べ、戦争に関する内
「会社をいじめられましたので、今は思い病気になりました。でもも直(す)ぐくびになるかもしれません」。誤字交じりのメッセージが先日、本紙「あなたの特命取材班」に無料通信アプリLINE(ライン)で届いた。長崎県内で暮らすベトナム人技能実習生の女性からのSOSだった。 有休も取らせてくれず、労働基準監督署に相談したが、職員はベトナム語が話せず十分な対応が受けられなかったこと。通報が上司にばれて帰国を迫られていることも記されていた。 急増する外国人労働者との共生をテーマに本紙が2年前から展開してきたキャンペーン報道「新 移民時代」の取材で、似たような話を幾度も耳にしてきた。 日本で技能を身に付け帰国してもらう建前の陰で、低賃金の単純労働を強いる技能実習制度の現実。日本語習得より労働を目的とした出稼ぎ留学生の実態。キャンペーンで取り上げたのは、事実上の労働移民がいるのに、いないふりをして対策を放置し
「命の危険感じる」近隣住民襲う竹林 相続の80代、資金が底…管理に限界 放棄は法で認められず 2018/5/4 6:00 (2022/12/8 12:12 更新) [有料会員限定記事]
九州大学記録資料館の三輪宗弘教授が発見した2通の電報記録。外務省が在米日本大使館に発信したもので、これらが「訂正電報」とすれば、急を要するはずの対米覚書の訂正を、外務省は半日以上遅らせていたことになる。 その理由を三輪教授は「陸軍参謀本部が米国に開戦の意図を察知されぬよう、わざと遅らせ、外務省も協力した可能性が高い」とみる。着目したのは、いくつかの他の電報の存在だ。 米東部時間で1941年12月6日午前9時54分、米国人タイピストの使用禁止を指示(表の1)。14部の発信から約2時間後の7日午前4時18分、大使館に初めて、米政府に「(7日)午後1時に通告」するよう指示している(2)。外務省は事前に、対米覚書が開戦通告という極めて重大な文書であることを大使館に伝えていなかった。 同午前4時44分には、電報を解読するための暗号機3台のうち、2台の破棄を命令した(3)。開戦後の米政府による押
「反核」私服で契約拒否 鹿児島市主催ヨガ講座 「政治色」を問題視、講師「表現の自由侵す」 [鹿児島県] 鹿児島市が主催する市民向けヨガ講座の講師が、私服で「反核」とプリントされたTシャツやパーカを着ていることを問題視され、2016年度の契約更新を拒否されていたことが12日分かった。「政治色」を理由に公共施設の使用を断るケースも各地で相次ぐ。今回の対応は表現の自由を侵害する「行き過ぎた措置」なのか、「行政の裁量の範囲内」なのか-。 講師は鹿児島市のフィットネスインストラクター、白澤葉月さん(51)。講座は同市鴨池2丁目の市勤労青少年ホームで週1回開かれ、白澤さんは昨年2~3月の5回、同9~10月の6回、今年2~3月の5回を担当。受講料は無料で、毎回約30人が受講した。 Tシャツやパーカは、黒地に白文字で「反核」と記されている。白澤さんは反原発や反核兵器のメッセージに共鳴し、昨年初めに通販
慰安婦の碑 米で波紋 2012年6月7日 22:24 カテゴリー:アジア・世界 図書館の脇に立つ従軍慰安婦の碑。市民有志が建て、市が場所を提供した=ニュージャージー州パリセイズパーク市「碑を撤去するつもりはない」と語るロトゥンド市長(左)とキム副市長 米ニューヨーク・マンハッタンからハドソン川を渡り車で約30分のニュージャージー州パリセイズパーク市。人口約2万人の51%を韓国系が占める市中心部の住宅街に、その碑は立つ。 高さ1メートルほどの御影石に約60センチ四方の額が埋め込まれ、うずくまる女性を旧日本軍の兵が威圧しているような絵とともに、次の文字が刻まれる。 「1930年代から45年にかけ、大日本帝国の軍隊により、慰安婦として拉致された20万人を超える女性と少女を忘れないために」 旧日本軍の従軍慰安婦を記念して建てられたこの小さな碑が今、米国で波紋を広げている。日本の在ニューヨーク総
逆転無罪判決 裁判員制度にまた課題が 2011年10月20日 11:00 カテゴリー:コラム > 社説 心神喪失とは、精神の病などで、事の善悪を判断し、それに基づいて行動することが全くできない状態を指す。この能力が著しく低下したのが心神耗弱だ。 日本の刑法では、被告が心神喪失なら責任能力がないとみなされ、刑事責任は問われない。心神耗弱の場合は刑が軽減される。刑事裁判では精神科医の鑑定を参考に、裁判所が判断している。 ただ、裁判官でも見極めは難しい。一般市民の裁判員なら、なおさらだろう。この問題点が、控訴審での「逆転無罪」という形で浮き彫りとなった。 大分県竹田市で母親を殺害したとして殺人罪に問われた統合失調症の男性被告(51)に対し、福岡高裁が「責任能力を認めた一審判決は誤り」と指摘し、逆転無罪を言い渡した。最高検によると、控訴審が裁判員裁判の有罪判決を破棄し、全面無罪としたのは初めて
動員どこから「やらせ」? 原発住民シンポジウム 広報活動か世論誘導か 2011年8月8日 10:03 カテゴリー:社会 九州 > 佐賀 玄海原発2、3号機の再稼働問題で、佐賀県が開いた県民説明会。ここでも九電の「動員」が明らかになった=7月8日、同県多久市 九州電力の「やらせメール」を機に、全国で明るみに出た原発をめぐる官民一体の「やらせ」問題。質問の誘導はともかく、関係者に参加を呼び掛けた「動員」については、当事者から「広報の一環だ」と反論も出ている。原発に限らず、住民の意見を政策決定に反映させる取り組みは国、地方自治体とも珍しくない。許される動員と不正なやらせ、その「境界線」はどこにあるのか-。◆識者「当事者関与は問題」 「呼び掛け自体は否定されるものではない」。玄海原発(佐賀県玄海町)のプルサーマル実施に関するシンポジウムなどで動員が表面化した7月末、九電役員は会見でこう強調した
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