戦後70年となる今年、日経ビジネスオンラインでは特別企画として、戦後のリーダーたちが未来に託す「遺言」を連載していきます。この連載は、日経ビジネス本誌の特集「遺言 日本の未来へ」(2014年12月29日号)の連動企画(毎週水・金曜日掲載)です。 第13回は、俳優の仲代達矢氏。演劇、映画、テレビドラマなどで幅広い活動をし、戦後の演劇界を引っ張ってきた。仲代氏が現在抱く、芸能の世界の危惧とは何か。少年時代を振り返ると、俳優を目指した裏側には壮絶な戦時体験があった。 銀幕の闘士 仲代達矢(なかだい・たつや) 1952年に俳優座演劇研究所付属俳優養成所に入所。57年に俳優座所属の女優・宮崎恭子(故人)と結婚。活躍の場を舞台から映画に広げ、小林正樹監督の「人間の条件」、黒澤明監督「椿三十郎」などに出演。75年からは、妻とともに「無名塾」を開設する。自らも第一線で活躍しつつ、若手役者の育成に力を注いで