8月21日の夜、ザクセン州のハイデナウに、約120人の亡命申請者がバスで到着した。彼らが寝泊まりするのは、空き家になっていた建築資材店である。すると約150人の極右勢力がこの施設前に集まり、彼らを罵倒し、警備中の警察官には石を投げつけた。 メルケル首相の対応に遅れ 極右勢力は翌日夜にも、この施設を攻撃。警官隊は催涙ガスを使って暴徒を追い払い、難民収容施設の周辺を立ち入り禁止区域に指定しなくてはならなくなった。この事件で警察官30人余りが負傷したが、ネオナチ関係者は1人しか逮捕されていない。ザクセン州警察が直ちに現場の警察官を増員せず、暴徒を厳しく取り締まらなかったことについて批難されている。 亡命申請者の数が急増する中、1990年代と同じように極右勢力が過激な活動に走り始めている。しかし、それに対する政府の動きは後手に回っており、ハイデナウの事件をめぐっては、ドイツ国内でメルケル首相の対応