神奈川県南足柄市で新茶の生葉から暫定規制値を上回る放射性物質の検出を受け、関東など十四都県では、十二日から生葉のモニタリングの調整に入った。なぜ福島第一原発から約三百キロも離れた場所で検出されたのか。新茶の季節に、足柄茶や埼玉・狭山茶の茶所で困惑が広がった。 茶葉から放射性セシウムが検出された南足柄市の生産農家は「どうして福島からこんなに離れたところで検出されたのか」と困惑気味。「風評が心配」「他産地はどうなのか」など不安に包まれた。 茶栽培を専業にしている男性(73)は「意外な結果だ」としたうえで、「出荷自粛を求められているが、生茶の収穫は延ばしても三日が限界」と一番茶摘み取り最盛期のなかでのセシウム検出に頭を抱える。「それ以上になると品質が低下して出荷値も低くなる」と県の再検査の結果が気掛かりの様子だ。