東日本大震災で生じたがれきの広域処理をめぐり、環境省が県内の市町村を対象に初の説明会を開いた。出席者からは、がれきの運搬費用や処分方法について質問が相次いだが、環境省側からは具体的な説明が乏しく、自治体関係者の間には戸惑いが広がった。 説明会は25日、益城町であった。蒲島郁夫知事が国に説明の場を設けるよう求めたのに応じて開かれたもので、市町村から担当課職員ら約100人が出席。九州地方環境事務所廃棄物・リサイクル対策課の中村宏課長から説明を聞いた。 中村課長は津波によって岩手県で通常の約11年分、宮城県では約19年分のがれきが発生したにもかかわらず、現時点では約9%しか処理が進んでいない実態を紹介。がれきの安全性を示したうえで、「受け入れにはご苦労があると思うが、国がしっかりとサポートしたい」と理解を求めた。 出席者からは「がれきの焼却灰が埋め立て後、地下水に影響を与えることはないか」
県議会は26日、関西電力大飯原発(福井県)の早期再稼働に反対する意見書を全会一致で可決した。原発立地道県の議会で初めての反対表明は、1人会派の提案に、最大会派の自民と政権与党の民主党の県議が賛同するという、異例の道筋をたどった。 「否決されて当然だと思っていた。まさか全会一致とは」。午前の議会運営委員会で、意見書を緊急提案した宮崎泰茂県議(市民リベラルの会)は、驚いていた。 意見書では、東京電力福島第一原発事故の検証や安全対策が不十分で、原子力規制庁が未設置であることなどを理由に早期の再稼働に反対した。「大飯原発の再稼働をベースに、他の原発も『右へならえ』にしたいはずの政府に、それではダメだと釘を刺した」と、可決の意義を強調した。 2009年に九電玄海原発3号機で始まったプルサーマルなどの原子力政策を推進してきた自民党内には当初、来るべき玄海原発の再稼働の議論を控え、「立地県として、
まもなく、東京電力福島第一原発事故から1年になるいまも、放射線の子どもの体に対する影響を不安視している保護者は多い。そこで県は27日、保護者が放射線の専門家と少人数で意見交換する座談会を始めるが、保護者には「我々が求めているのは健康調査」との声が根強い。両者の間の溝はなかなか埋まりそうにないのが実情だ。 放射線問題に関して、県はこれまで26市町村で県民を対象にした講演会を開き、4221人が参加。県教育委員会も県内5地区で講演会を主催し、861人が専門家の話に耳を傾けた。 しかし、保護者の不安が解消されたとは言えず、講演会では「健康に影響はない」と説明する専門家や県の担当者に対し、保護者から「それでも不安」との声が相次いでいた。 昨年11月には、県内外の保護者でつくる48団体が、子どもの健康調査の実施を求める要望書を県に提出。県議会の保健福祉委員会も12月、健康調査をするよう県に求めた
お気に入りのぬいぐるみを図書館にお泊まりさせてみませんか――。立川市の錦図書館で22日、そんなイベントが開かれる。ぬいぐるみがひとけのない図書館を冒険し、思い思いに読書を楽しむ。そんなファンタスティックな様子を写真に収めて子どもたちにプレゼントすることで、図書館や本への関心を高めたい、というのがねらいだ。 「ぬいぐるみの図書館お泊まり会」は、児童サービス担当のスタッフである遠藤愛さん(23)が企画した。同様のイベントは米国が発祥の地とされ、現在は米国各地の図書館で人気を集めている。だが、国内では取り組みを進めている所はまだ少ないという。 今回のお泊まり会は、乳幼児〜小学生が対象。お気に入りのぬいぐるみや人形を持参して一緒に「おはなし会」を楽しんでもらった後、ぬいぐるみを置いて帰ってもらう。 スタッフはその後、預かったぬいぐるみを図書館のあちこちに配置。仲良く本を読んだり、書架の周りで
文部科学省が福島県内の児童・生徒が1年間に浴びる放射線量について、上限20ミリシーベルトの基準は変えないものの「1ミリシーベルト以下に抑えることを目指す」と27日に示したことに対し、茨城県の測定で比較的高い数値が出た取手市と守谷市の教育機関から、戸惑いの声が広がっている。両市が行った測定結果では、年間被曝(ひばく)量が1ミリシーベルトを上回る学校が大半を占めるからだ。 県が25日に行った測定では、1時間あたり取手市が0.226マイクロシーベルト、守谷市が0.212マイクロシーベルト。県が同日計測した44市町村のうち、この2市だけが0.2マイクロシーベルトを超えた。 文科省が校庭の表土処理費をほぼ全額負担する基準値の下限として今回示したのが、毎時1マイクロシーベルトの放射線量。1日に屋外8時間、木造屋内で16時間過ごすと、年間の被曝量は約5ミリシーベルトになる計算だ。 毎時0.2マイクロシー
イグ・ノーベル賞受賞者で発明家として知られる広瀬幸雄・金沢大大学院特任教授(70)が「被災者の役に立ちたい」と27日、発明した消臭機能付き仮設トイレと約10キロ先まで明かりが届く強力なライトを持って岩手県陸前高田市を訪れた。 海から約1キロ離れた同市矢の浦、獺沢両地区は、浄化センターが被災して、いまだに約30戸が仮設トイレを使っている。また、同市は流出した魚の腐臭に悩まされている。 広瀬教授は矢の浦公民館近くに「スチームドライトイレ」を設置。汚物を500度の水蒸気で加熱、乾燥させて臭いを除去するという説明に住民らは「民家に取り付けられるか」「処理時間は」と興味を示した。 実験で男性(72)が使用した後、腐ったサンマ3匹を便槽に放り込んだ。においセンサーで測ると、実験前に12だったトイレ内の臭気レベルは156まで上がった。センサーメーカーによると、家庭用トイレが50、駅のトイレだと140〜2
俳優でミュージシャンのいしだ壱成さん(36)が3月4日付のブログ「Arrivals」で、「いま一度、改めて原子力発電所について書いてみようと思う」と記した。子供のころ、高松市丸の内の四国電力本店の前であった伊方原発(愛媛県伊方町)をめぐる抗議活動に参加した経験などを振り返る内容だ。東日本大震災1週間前の「脱原発」の訴えは、ネット上などで話題を呼んでいる。 ブログの題は「今だからみんなで考えたいこと。」。チェルノブイリの事故を受けて各地から集まった人々が1988年、伊方での四電の出力調整実験に対し、座り込みなどの抗議をした。途中、警察当局ともみ合いになった。実験開始の時刻には地面に伏せて実験の無事を祈ったという。いしださんは母親とともに参加し原発に関心を持つようになった。 4日付のブログでは「なんで、あんな殴り合いまでしてつくらなければならないのだ」「その都度、アクションを起こして皆で考
統一地方選のある候補の事務所で、「うどん食べてから帰りまい」と、集まった人たちにうどんが振る舞われていた。えっ、うどん? 法律を読めばお茶や茶菓子しか提供してはいけないように思えるが……。聞けば、うどんが県民食といえる香川では「普通のこと」と言う人も。さてその線引きは? ある議員の運動員の男性は「うどんを振る舞う事務所は多いのではないでしょうか。もとは運動員の食事として用意し、事務所を訪れた人にも勧めてしまうのはごく自然な流れでは。県選管にはうどんを何玉購入したのか報告していますが、玉数の多さを指摘されたことはないようです」と明かす。 この運動員によると、はるか昔には、うどんだけでなく、酒や食事を振る舞う光景も見られたという。だが、社会の風潮が変わり、酒などを出すことは今はなくなった。「けれど、県民食のうどんだけは残っている」と男性はみる。 県選管の担当者は「飲食物の提供のあり方につ
福島第一原発3号機のプルサーマル発電が始まり、3、4号機の中央制御室で機器を操作する係員=23日午前7時50分ごろ、大熊町夫沢、東京電力提供 東京電力は23日、福島第一原発3号機(大熊町、出力78.4万キロワット)で発電用タービンを起動し、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電を始めた。発電された電力はこの日から一般家庭に供給され始めた。今後出力を上げ、国の検査を受けて10月26日ごろ営業運転に入る予定。 発電用タービンは同日午前7時46分に起動した。24日未明には出力50%近くになる。出力を段階的に引き上げながら試運転を続け、原子炉やタービンなどに異常がないかを確認し、28日には100%に達する予定だ。国の総合負荷性能検査に合格すれば、営業運転を始めることになる。 発電開始後、報道陣の取材に応じた同原発の吉田昌郎所長は「ウラン燃料の代替としてプルトニウム利用
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