「有休マックス取れると思っちゃ大間違い」社長発言の“違法性”主張し従業員が提訴 裁判所が認めた「慰謝料額」は? 「1日でも早く辞めてほしい」 「有休マックス取れると思っちゃ大間違いだからね」 「私はあなたを、もうほんと、人間だと思えないぐらい、普通の人じゃないと思う」 これは社員Aさんが退職願を出した後の面談で、社長たちから投げつけられた言葉である。 Aさんが訴えた結果、裁判所は「有給休暇の取得を否定する発言である」「パワハラ発言だ」「個人的な人格非難だ」と認定して、社長たちと会社に慰謝料10万円の支払いを命じた。(東京地裁 R6.7.25)(弁護士・林 孝匡) 事件の経緯 会社は、補聴器や聴力測定器の製造販売などを行っており、Aさんは経理全般の業務とともに、人事や営業補助など総務的な仕事も担当していた(入社約20年目)。 この会社は、いわゆる家族経営だった。会長Bと副社長Cが夫婦、その三
