ロシア・チェリャビンスク州上空で爆発、落下した隕石(いんせき)について、米航空宇宙局(NASA)は十六日、地球に至る推定軌道を公表した。太陽に近い所では金星軌道付近、遠い所では火星軌道の外側を通る楕円(だえん)軌道で、一周するうちに二回、地球の軌道と交差する。 この楕円軌道は、日本の探査機「はやぶさ」が砂粒を回収した小惑星「イトカワ」の軌道に似ている。NASAの専門家は隕石が地球大気圏に突入する前の大きさを直径約十七メートル、重さ約一万トンと推定。イトカワと同様の「地球近傍小惑星」だったとみられる。この小惑星は地球の地表面に対して二〇度未満の浅い角度で、秒速十八キロ(時速六万四千八百キロ)の猛スピードで大気圏に突入。ロシア上空の高度十五~二十五キロで爆発、分解したとみられる。