勝小吉自伝『夢酔独言』より、小吉14歳、一度目(当然二度目もある)の家出が本格スタートします。 江戸本所の家を出て、東海道を進む小吉。小田原で旅人2人と出会い、3人で浜松まで行きますが、何やかんやですべて失ってしまいます。 【前回までのあらすじ】 13歳の年、姑のお婆様と折り合いが悪く、家庭内自炊を始めた小吉。醬油に水を入れたりもらい物のお菓子をくれないお婆様に、不満をつのらせていた…! 14歳の年、小吉は家出します。 ※漫画では夜に家を出ていますが、原作には時間がいつ頃だったかは明記されていません。真っ昼間だったかも。 十四の年、おれが思うには、男は何をしても一生食われるから、上方(かみがた)あたりへ駆け落ちをして、一生居ようと思って、五月の二十八日に、股引を穿いて家を出たが、世間の中は一向知らず、金も七、八両ばかり盗み出して、腹に巻きつけて、まず品川まで道を聞き聞きして来たが、何だか心