東芝は17日、富士通のHDD(ハードディスク駆動装置)事業を買収すると正式発表した。海外の組み立て工場や開発部門を300億〜400億円で買収する。富士通はHDDの主要部品であるディスクの製造工場は昭和電工に売却する。パソコンなどデジタル製品の市場は振るわず、各製品に搭載されるHDDも採算が厳しいが、東芝はシェア拡大で生き残りを図る。 東芝が買収するのは、HDDを組み立てている富士通のタイ工場とフィリピン工場、子会社の山形富士通(山形県)などの設計・開発部門、海外の販売部門など。富士通が売却対象の受け皿となる新会社を設立し、東芝が新会社の全株式を段階的に取得する。HDDの世界出荷台数シェアで、東芝陣営は17%と第3位グループに浮上する(08年10〜12月、テクノ・システム・リサーチ調べ)。 東芝は、富士通のHDD事業買収を通じて「サーバー向けHDDの開発や販売」(幹部)に参入する。買収で