大リーグのドーピング問題、ステロイドの使用ということが、阪神のウィリアムスなど日本に関係する選手のことも含めて話題になっているが、こういう話題が出るとどうしても思い出されるのは、ほぼ20年前のこのシーンだ。 驚異的な世界新記録で金メダルをとったベン・ジョンソンは、筋肉増強剤の使用により失格となったわけだが、それでもこのシーンは、ぼくがこれまでに見たスポーツの場面のなかで、もっとも印象深いもののひとつである。 この走りが、薬物使用の成果によるものだと聞かされた当時、ぼくは「それでもいいではないか」と思ったものだ。 筋肉増強剤を使用した結果であるならば、なぜそれはいけないのか。 無論第一に、そういうルールがあるからだ。第二に、みんなを欺いたから。第三に、副作用などがあり、危険である。第四に人体に人工的な加工を加えるような行為は自然に反するから。 しかし、特にどれなのだろう? ルール違反にならな