1968年のケンタッキーダービー馬、ダンサーズイメージ。 最後方からのスタートながら、四コーナー回った辺りで、他をごぼう抜き、圧倒的な速さで駆け抜け圧勝しながら、その後の薬物検査で失格となった悲劇のダービー馬。 この競馬場に居合わせた寺山修司は、この「ダンサーズイメージ」に賭けたそうだ。その後の失格事件等を受け、「馬敗れて草原あり」の中で、義憤でもって書き綴っている。 私はこのダンサーズイメージの子が、もしわが国の芝生を走ることがあったら、何がなんでもその馬に賭け続けるつもりである。正義ということばも、もはや古いものになってしまったが、しかし私はダンサーズイメージを信じたい。世界でいちばん速い馬よ。わが国の芝生にも、いい子を送ってくれ。 (「ケンタッキーダービー報告」より) 引退後のダンサーズイメージは、種牡馬としてアメリカ、アイルランド、フランスを渡り、最晩年を日本で過ごし、1992年、