「給料に不満があるならキーエンスに転職すればいい」日本企業は収奪的と批判して賃上げを要求するのは筋違い、「自力で高い給料を掴み取る努力をせよ」と大前研一氏が提言 2025年の春闘賃上げ率は昨年同様、高水準を維持した。一方、中小企業に目を向けると、大企業ほどのベースアップはまだ難しいという声も聞こえてくる。「大企業の収奪的なシステムに問題がある」との指摘もあるが、経営コンサルタントの大前研一氏は、それは「筋が違う」と断じる。いま給料が安いと嘆いている人に向けて、大前氏が提言する。 * * * このところ、日本人の給料が安いのは日本企業、とくに大企業の収奪的なシステムに問題があるとの言説が散見される。労働生産性は上がっているのに賃金は上がっていないという指摘である。 しかし、この議論は「木を見て森を見ず」だ。労働生産性は企業の従業員1人あたりの付加価値であり、国内で生み出されたモノやサービスの
