2022年10月初旬、ロシア軍はウクライナの民間電力インフラを攻撃する戦略爆撃に踏み切りました。それ以前も発電所などが幾らか攻撃されてはいましたが、この時から意図的に大規模な攻撃が開始されました。冬が近い中でウクライナ電力網を破壊して暖房を止めて市民生活を立ち行かなくさせて、市民の士気を挫き厭戦気分を醸成させて降伏あるいは停戦に追い込もうという作戦です。 そして2023年3月となりました。冬は終わり、もう直ぐ春がやって来ます。ロシア軍の電力インフラ攻撃は決定的な効果を生むことなく、ウクライナ市民の士気は下がるどころか徹底抗戦の意思はますます強固なものとなり、ロシアの行いは逆効果となってしまっています。 戦略爆撃。しかしこれは歴史上、失敗の多い作戦でした。過去の例から見ても市民を狙った攻撃は中途半端なものだと逆に抗戦意思を高めてしまいます。恨まれ、復讐の声が強くなり士気が上がってしまいます。