元来、発酵液に漬けて作る臭豆腐は湖南省の郷土食であったが、近世中国各地に伝播した。中国南部、台湾、香港などの地域では広く食べられているが、独特の臭い匂いがあるため、人によって好みが分かれ地元民であっても食べられない者もいる。台湾では外省人が戦後広めた[1]。また、華南にはなれずしを作る文化があったため、その影響も考えられる。 元は野菜などと一緒に豆腐を1週間ほど漬け込んで作っていたが、発酵の制御が難しく今はほとんど行われていない。いま中華圏の市場で販売されているものは植物の汁と石灰等を混合し、納豆菌と酪酸菌によって発酵させた漬け汁に豆腐を一晩程度つけ込んだ物。豆腐自体の発酵はほとんどしていないが、豆腐表面の植物性タンパク質が、漬け汁の作用で一部アミノ酸に変化し、独特の風味と強烈な匂いを発するようになる。 湖南省長沙の黒い臭豆腐の屋台 臭豆腐は、地域によって、使用する漬け汁を含めて、製作方法