── 駅弁とはべつに、宿泊する人用のごはんも 考えられたんですね。 飯島 そうなんですよ。11カ所だったかな。 自分が和歌山に行くと、いい素材、おいしい食材を なるべくそのまま食べたいなって思うんですね。 ですからなるべく素材に近いものを取り入れた調理法で。 たとえば太刀魚を茹でて、おろしショウガで食べる。 かなりシンプルなんです。 じつは最初、戸惑われた宿のかたもいらっしゃって。 「あまりにも簡単すぎやしませんか」って。 ── 「太刀魚を茹でただけですか」って? 飯島 でも、和歌山はしょうゆの発祥地。 だからしょうゆも魚もシンプルに味わえるほうが いいと考えたんです。 ── おいしいしょうゆを、生(き)で食べようと。 飯島 「こういうのを、家でもやってみよう!」 と思えるようなメニューにしてみました。 ── みなさんの反応はいかがでしたか? 飯島 とても好評でしたよ。よかった。 ── ほ