若者らの自殺防止対策として厚生労働省が実施している交流サイト(SNS)での相談事業の利用が、開始から3年連続で増加し、2021年度は約25万9800件に達した。かつて主流だった電話相談よりも「気軽に使いやすい」として、メッセージが殺到しているとみられる。対応が追いつかずにパンク状態となり、優先度が低いと判断された相談への返信が滞る状況だ。札幌市東区の死体遺棄事件でも、被害者の女性が事件前にSNSに悩みを書き込んでいた。事業者らは「SNSの利用者が相談する受け皿の拡充が必要」と訴える。 【動画】更別村 デジタル技術活用の住民サービス始まる 「寄せられるメッセージが多すぎて、ボランティア700人態勢でも全く対応しきれていない」。オンラインのチャットで無料相談を24時間受け付けるNPO法人「あなたのいばしょ」(東京)の大空幸星理事長(23)はため息をつく。同法人は21年度から同省の補助を受け、相