伊藤智樹 (いとう・ともき) 富山大学人文学部准教授。1972年愛媛県生まれ。 さまざまな病いを持つ人々が支え合うセルフヘルプ・グループを中心に調査を行いながら、「病いの語り(illness narrattive)」研究を行っている。 著書『セルフヘルプ・グループの自己物語論―アルコホリズムと死別体験を例に』(ハーベスト社)、共著書『<支援>の社会学―現場に向き合う思考』(青弓社)。 →bookwebで購入 「私たちが好む死のあり方を映し出す鏡」 この本には、医師である著者が病院での死のあり方に疑問を抱き、ホスピスを志すようになる軌跡が綴られています。前半部分には、病院での死を示す典型例がいくつかの物語として収められており、それに対して、後半部分では、家族や医師との心暖まる交流を経て亡くなる人の物語がいくつか配置されています。 私は、折にふれてこの本を読み返すのが好きです。「次の授業でとり