→紀伊國屋書店で購入 「次は、東海と関東の大震災に備えるしかない」 福島原発の放射能漏れが続いている中、冷静に事態を捉えるために、いま読むに値する一冊である。震災と原発事故が重なると、未曾有の災害になる。地震大国日本で原発は危険である、と警鐘を鳴らし続けてきた地震学者、石橋克彦氏の著作だ。 ツイッターで名著であると知ってアマゾンで購入の申し込みをしたところ、在庫がなかった。売れている。約3週間またされてやっと手元に届いた。奥付をみて驚いた。1994年の刊行なのである。つまり阪神淡路大震災の前に書かれていた。 日本の歴史のなかで、大震災の歴史をたどる前半の記述は圧巻である。幕末の動乱期は、関東と東海の地殻が揺れ動く時期にあたっていた。地殻の大動乱の時代。小田原大地震、東海・南海の巨大地震が江戸時代を直撃した。この大地動乱の時代の一区切りとなるのが、大正12年の関東大震災であった。関東大震災で
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 昨年の大晦日に飛び込んだ訃報に目を疑った。遂にそのときが来てしまった。その八十六年の生涯の最後のほんの少しだったけれど、暇さえあればその出演映画を観て歩き、著書の多くを読み耽った「最後の大女優」が永遠に旅立ってしまった。 年明けの各紙誌には、いくつもの追悼の言葉が並んだが、欠落感が否めなかった。肝心の人が語っていない。もちろん今は語れないだろう。速報では、十二月二十八日五時二十八分、高峰さんは病室で、最愛の夫、松山善三氏と「一人娘に見守られて逝去」とあった。養女になっていたとは知らなかったが、あの方だなと自然に思った。 斎藤明美さん。十年前だったか、ふらっと入った名画館で、はじめて高峰秀子主演・成瀬巳喜男監督の「浮雲」「放浪記」を観て衝撃を受け、自然の成り行きで傑作自伝『わたしの渡世日記』(<上>・<下>、文春文庫)を貪り読んだ、その次に手にした
【書評】児童書 3月の東日本大震災は、物流事情に左右されず自由に閲覧できる電子書籍の機動性に光をあてる一方で、電力を使わない紙の本の魅力を見直すきっかけにもなった。 電子書籍をめぐる議論は、とかくアナログ(紙の本)かデジタル(電子書籍)か、という二者択一に陥りがちだ。でも、じつはそれぞれに良さがあり、弱点もある。臨機応変に使い分けていくのが現実的なのだろう。関連記事米アマゾン、電子書籍が印刷本を上回る【産経抄】5月19日記事本文の続き そんな言いふるされた感のあるメッセージが、この絵本を読んでいると、不思議と新鮮に響いてくる。 登場するのは、本好きなサルと、パソコン好きのロバくん。ロバくんは紙の本を読みふけるサルに、その使い方(!?)を尋ねる。 「スクロールは?」 「マウスは?」 「メールは?」 「ブログは?」 「ツイッターは?」 紙の本を知らずに育ったロバくんには当然の疑問かもしれない。
バービーと私―着せ替えドレスを作り続けた半生記 [著]宮塚文子[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)[掲載]2011年5月29日著者:宮塚 文子 出版社:亜紀書房 価格:¥ 1,680 ■モノ作りを支えた猛烈な仕事 子どものころ、バービー人形といえば舶来モノの高級ファッション人形というイメージだった。つんとすました顔立ちに、見事な八頭身。別世界の人、というか人形だった。そんなバービーが、実は最初の10年あまり日本で生産されていたなんて! 本書の著者は、極秘裏の社命を受け、帝国ホテルに借り切られた部屋に1年間通い詰めて、バービーのドレスや小物の試作を続けた人である。縫製技術の高さと賃金の安さに目をつけて、アメリカの会社がファッション人形の生産を日本の会社に持ちかけたのだった。「手に職を」という母の勧めに従って縫製を学んだ著者は、人間ではなく人形の服を作る仕事にとまどいながらも、会社
宇宙誕生―原初の光を探して [著]マーカス・チャウン[評者]辻篤子(本社論説委員)[掲載]2011年5月22日著者:マーカス・チャウン 出版社:筑摩書房 価格:¥ 1,680 ■空の「化石」、謎解きそしてまた謎 太古の生物の姿を伝えてくれる化石があるように、太古の宇宙の化石もある。 「宇宙背景放射」と呼ばれる、セ氏マイナス270度のかすかな電波である。 ビッグバンから38万年、超高圧超高温の火の玉宇宙が冷え始めたときに解き放たれた光が宇宙の膨張とともに飛び続け、今、電波となって見えているのだ。背景の名の通り、私たちの周りの宇宙空間を満たしている。 本書は、火の玉宇宙の名残の「化石」を追ってきた科学者たちの半世紀余りにわたるドラマを生き生きとつづる。 発見は偶然だった。米国の2人の若い天文学者が1964年、空のあらゆる方向からやってくる奇妙な電波に気づいた。雑音と思い、ハトのフンを犯人と疑
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く