コロナ禍によって、子供たちの学校生活は一変しました。「修学旅行に行けなかった」、「部活の大会が中止になった」など、多くの声が上がっています。しかし不登校・ひきこもり経験者のキクイさんは、「本当に失われたもの」は他にあると主張。本当の「喪失」とは何かを語ります。 (文 キクイ シンヤ/Photo by Pixabay) 十代を「失った」経験 私ほど「子供時代」を失った者はいない。 私は八歳から学校通学がなく、中学の頃は同世代との会話さえなかった。 テストを受けたことがないので、「偏差値」というものは出たことがない。 教師は成績を示しようがなく、通知表はいつも斜線が引かれているだけだった。 「平凡な学生時代」を、私は経験してこなかったのだ。 この三年、コロナ禍で学生生活が「失われた」と感じる子どもたちが増えている。 「修学旅行に行けなかった」、「部活動の大会が中止になった」など、学生時代の「喪